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分をわきまえる

分をわきまえたまえ!
時代設定が古いドラマではこんな言葉が出てくることもあるでしょう。
そのせいか、分をわきまえるという言葉にはどこかネガティブなイメージがあります。

自分に課せられたことだけやっていればいい、与えられた枠を逸脱することは許されない、そんなイメージはないでしょうか?

しかし私は自分の分をわきまえることはとても大切なことだと思うのです。
それは前述のようなネガティブな姿勢ではなくポジティブな姿勢として。

分は己がわきまえるもの
そもそもの話として分をわきまえることを強要すること自体が分をわきまえるということの理解から外れています。

分は己で設定し、己で守るものです。

こちらの記事で書いた通り、己を律するということにも似ています。

しかし分を自分で設定すると言っても何をどうすればいいのかわかりません。
そこで私が自分の分を設定する際に使っている考え方をご紹介します。

自分の立ち位置を知る
まずは自分の立ち位置はどこなのか、ということを考えます。

わかりやすく職場を想定してみましょう。

今自分のポジションではどういうことが求められているのか、その中で自分は何をしたいのか(しなければならないのかではないことに注意)、そのために許されている権限と義務はどの程度あるのか。

この辺りをまずは検討します。

相手の立ち位置を知る
次は自分以外のメンバーの立ち位置を考えます。
上司、同僚、部下それぞれにそれぞれのポジションに求められていることは観察からわかるかもしれません。

しかしその人たちが何をしたいのかは直接聞いてみないことにはわかりませんので全員に聞き取りを行います。

ストレートに聞くこともできますし、聞きにくい相手なら日常会話の中でおそらくこういうことを望んでいるんじゃないかな? と推察します。
推察は当たっている必要はありません。推察してみることに意味があります。ただし、決めつけにならないように気を付けてください。

相互の立ち位置との相乗効果を知る
ここまでで自分と自分以外の人のポジションとしたいことを考えてきました。
さらにそこから一歩踏み込んで、互いのポジションとしたいことの相乗効果を生み出せないかを考えます。

例えば相手が自分の上司の場合、上司の最大の仕事は決断と指示のはずです。
それ以外の些末な仕事はこちらで率先して引き受けてしまいます。

ただしそれだけでは単なる便利屋になってしまうので、そこに加えて自分はこういうことをしたいと考えているということも上司に伝えます。

こうすることで指示系統の効率化を図りながら、自分がしたいことを上司にアピールもできます。

分をわきまえるとは自分と自分以外の人のポジションと希望を考えて全体として最適化することだと私は考えています。

そのためにはまず自分の分をしっかりとわきまえる必要があります。
普段からそうしておけば、いざまずい状況が生まれたときに、私はここまでのことをしました、それでも足りないとおっしゃるのであればしかるべきポジションをください、と会社との交渉の余地が生まれます。

普段中途半端にずるをしているといざというとき、この言葉の重みが全くなくなってしまいます。

みんなが自分のこと、相手のことをしっかりと考えながら働ける環境があれば生産性は爆発的にあがるんじゃないのかなあと考える次第であります。


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