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どうせなら「東洋思想」の沼にはまってみるか・・。その7

宋学という新しい儒教体系

さて、前回までは陰陽思想まで触れてきましたが、
こういった老荘思想は、新しく伝わった仏教と融合し、
中国仏教を成立させました。
それが日本に伝来するわけです。

これは別の章に譲るとして、
「政治のあり方」としての儒学に立ち戻るとします。

 儒学の根本は「訓詁」にありますが、これは「統治」に関わります。
今の法律学が「判例」に則るように、
やはりこういう厳格さが統治に必要なのは、世の常なのかも知れません。

 その中で「人の世はどうあるべきか」ということが
政治学の中心にあるわけで、そのような側面から、
「儒学」は重視されたわけです。特に「武」におもねることなく、「文治」を旨とした宋の時代、
この考えは新儒学といい、統治学として発展しました。

朱子学の成立

朱子(朱熹)

 その中でこれを、陰陽思想を取り入れつつ体系化したのが、
朱子(朱熹しゅきさんでした。

 朱子さんの考え方は、「万物一源」というもので、
すべてのものを育てるはたらきこそ、
孔子さんが唱えた「仁」であると具体化しました。

 ですから、天、地、人は
すべて互いに育てるはたらきを持つ関係であるから「仁」である、
というわけです。

 朱子さんは、陰陽五行説に沿って、
そもそも存在とは物質的なものである「気」と、
内なるものから生じる原理である「理」との二元論で実存を定義しました。

 つまり、そもそもの人の本性とは、天から得た理であり、
それを司る性とは天から得た気である。という考え方です。

 すなわち、倫理や作用というものは、
もともと天から与えられたもので、それゆえ天のことわりによって
仁義礼智人倫が与えられているという論法です。

ですから朱子さんは「性即ち理」とのべ、
天から受けた性うまれつき
心に内在するものである人倫であると定義づけました。
つまり、性善説の立場を採ったわけです。
 
  したがって、朱子さんがまとめた思想体系は、
きわめて実存主義的なものであるとも言えましょう。

そういった「性善」を基礎として、
おのおのの修養こそ人が持つ本来の人倫を呼び込む作用が必要である。としました。 
ここで、荀子さんが説く性悪とは違った
「教育」の必要性を説いたわけですね。
すなわち、おのが持つ「善」を見いださせるがゆえに、
教育が必要なのである
という論理です。

 朱子さんの思想の大きな特徴は、
こういった理気二元の論理によって、
儒教・仏教・道教のエッセンスを統合し、体系づけた事にあります。

  したがって、朱子さんにより、
儒教は宋代において、大きな発展をみせ、
主知的な「朱子学」として
東洋思想のいわば屋台骨のような存在になるわけです。


あたしも「教育」が必要って事ね

そこの大きな特徴は「道徳」のあり方でした。
次回はこれをもう一掘りしてみましょう

CONTINUE


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