あなたが始めたブランドの終わり方考えていますか?
あなたのブランドの終わりは、みんなのブランドの始まり
突然ですが・・・
「あなたが始めたブランド、最後はどうやって終わりたいですか?」
いきなり終わり方の質問というのもなんだか失礼な話ですが、これ考えずにブランドを始めて、何年も運営していることってありませんか。
「とくに終わり方なんて考えてないよ!」
「なんとなくは考えてる」
って思っている人は、今日のnoteの内容は、めっちゃ役に立つんじゃないかと思います。
これはファッションブランドに限らず、あらゆるビジネスや商品、サービスにも置き換わるかと思います。
じつはこんな偉そうに書いていますが、私もブランドの終わり方なんか全く考えずに、勢いでブランド立ち上げ、何年も運営していました。
しかし、数年前に偶然にも友人がM&Aで事業を売買している様子を近くで見る機会に恵まれました。
そこで、新たに0からブランドをスタートするなら、こう考えるようになりました。
私のブランドの終わり方=どこまで生き残るか
ではなくて、
私のブランドの終わり方=誰かのブランドの始まり
という考え方です。
これによって、私の会社で3年前に立ち上げたブランド事業を、今年譲渡することが決まりました。
もちろん、自分のブランドを事業譲渡することだけがアパレルビジネスにおける成長、成功の出口戦略というわけではなく、あくまでこんな風にして成長させる方法もあるということを理解してもらえたら嬉しいです。
始まりがあれば終わりがある
成長するアパレルビジネスを構築するには、市場の需要と一致したブランドライフサイクルを把握することが不可欠です。
下の成長曲線のこんな図を見たことある人も多いかと思います。
もちろんどんなビジネスでもこの成長期が長く続くことが好ましいですが、物事には始まりがあれば終わりがあります。
ローマ帝国だろうが中華帝国だろうが、国家も会社もブランドも商品もずっと隆盛を誇るということは難しく、ピークを迎えれば、ピークアウトしますし、万物は波、サイクルによって成長、衰退していきます。
しかし、もしあなたのブランドが衰退期を迎えるとしたら、その前にまだやれることはたくさんあります。
もし「今のままではもう限界だ・・・」
とあなたの力に限界を感じているのであれば、他の人のリソースを持ってくればよいのです。
自分ではもう無理、と思ったところからでも、あなた以外の誰かはまだまだ伸ばせる可能性があります。
限界とは逆に、これからもっとこのブランドが伸びると確信している状態であっても、他人のリソースを用いることで、さらなる成長が見込める可能性もあります。
こう考えて見たらわかりやすいかもしれませんね。
あなたは自分が立ち上げたブランドを、まるで我が子のように思っているかもしれません。
そのわが子はヨチヨチ歩きから始まり、あなたが手塩にかけて育ててきました。
一人で歩き始め、やがて小学生、中学生、高校生、大学生、社会人へと成長していくでしょう。
小学校や中学校までは、生みの親であるあなたが勉強を教えたり、運動を教えたのかもしれません。しかし、高校生、大学生になるにつれて、家庭教師にお願いしたり、専門のトレーニングを受けさせていくのではないでしょうか。
つまり、子どもの成長の段階に合わせて、教育リーダーが変わり続け、決してあなたがベストな指導者である、というわけではないのかもしません。
残酷なように聞こえるかもしれませんが、これはファションブランドにも、ブランドビジネスにも同じことが言え、もしかしたら、立ち上げてから数年経ってみたら、あなたが最適なリーダーではないのかもしれないということになります。
決して、ネガティブに捉えてほしくないのですが、ブランドやビジネスを成長させる上で、リーダーが変わるということは、チームメンバーが素晴らしい環境で安心して働けたり、チャンスを拡げるための方法の一つとして捉えてほしいのです。
なので、あなたのブランドの終り方を考えることで、さらなる成長についての可能性を広げてみたいのです。
夢を追い求めることは重要ですが、それを現実に変えるためには、具体的な計画が必要です。
ビジョンを行動に結びつけることで、あなたのブランドは市場での新たな道を切り拓く準備が整います。
あなたのブランドの終焉は、みんなのブランドの始まりであり、その転換点を上手にコントロールすることが成功への鍵を握ります。
終わりを見据える理由 - 持続可能性の追求
出口戦略への備え:
アパレル業界に限らず、市場は絶えず変化しています。ブランドが持続的な成長を遂げるためには、これらの変化に適応する能力が不可欠です。
ブランドの出口戦略を見据えることは、未来への準備を意味します。
出口に備えることで、何を準備しておけばいいか、どんな資料や数字を明確にしておく必要があるか。
もしあなたがデザイナーで創業者ならば、誰かにブランドを受け渡したときにどのように関わるのか。これらを意識しながらブランドを育てていく必要があります。
成長のための出口戦略:
ブランドの終焉を計画することは、実は新たな成長フェーズへの準備です。市場でのポジションを確立し、成熟した後、ブランドは新たな成長の道を歩み始めます。古い戦略を手放し、新しい目標に向けて進む勇気が、ブランドに新たな命を吹き込みます。
ビジョンと現実のバランス:
ブランドのビジョンは、そのブランドの新たな始まりを創り出す原動力です。しかし、このビジョンを具体的なステップと目標に落とし込むことが必要です。
目標を段階的に設定し、各ステップで成功を確実にすることで、ブランドは未来への大きな飛躍を達成します。あなたのブランドの終焉は、みんなのブランドの始まりであり、この循環の中で、永続的な成功を目指していきましょう。
新たな「始まり」を切り開く、あなたのブランドの「終わり」を考える5つの戦略
それでは、どのような出口戦略があるのかを具体的に説明していきます。
M&A(買収・合併)での成長加速:
ファッションブランドにとって一般的な出口戦略は、大手ファッション企業や他のブランドによる買収です。特に、独自のデザインや特定の市場セグメントで成功を収めているブランドは、大企業からの買収対象となりやすいです。大企業は、新しいブランドを加えることで製品ラインを拡大し、新しい顧客層を獲得することを目指します。
戦略的パートナーシップによる相乗効果:
ブランドが特定の市場や技術に強みを持つ場合、他の企業との戦略的パートナーシップを結ぶことで、投資を回収することが可能です。この種のパートナーシップは、共同で新しい製品ラインを開発したり、新しい市場に進出するためのもので、しばしば買収につながることがあります。
プライベートエクイティとベンチャーキャピタルの活用:
ファッションブランドが一定の成長段階に達した場合、プライベートエクイティファンドやベンチャーキャピタルが関心を持つことがあります。これらの投資家は、ブランドのさらなる拡大や効率化を図るために資金と管理の専門知識を提供することができます。
ライセンシングによるブランド価値の最大化:
あなたのブランド名やロゴ、デザインを他社にライセンスすることで、新たな収益源を確保できます。この戦略は、ブランドが特定の地域やカテゴリーでの展開を望むが、直接運営する資源がない場合に特に有効です。
事業承継による長期的なブランド継承:
特に家族経営のファッションブランドの場合、創業者が引退する際に事業を家族の次の世代に引き継ぐことがあります。この過程では、ブランドの理念やアイデンティティを保ちつつ、新しい視点やエネルギーを事業に注入することができます。
各出口戦略は、ブランドの特定の状況と目標に合わせてカスタマイズすることが重要です。ファッション業界の急速な変化と消費者の嗜好の変動を考慮すると、柔軟性を持ちながら戦略を計画することが成功への鍵となります。
出口戦略を考えることで、ブランドの始め方、作り方も変わる
戦略的なブランド構築:
出口戦略を最初から考えることは、ブランド構築のアプローチを根本から変えます。あなたのブランドの「終わり」を見据えることで、市場での成長と進化を計画的に策定できます。これにより、ビジネスはより戦略的な基盤の上に築かれます。
あなたが今行う選択は、ブランドの将来的な価値を高め、望ましい「終わり」と「始まり」へと導くためのものです。すべてのビジネス決定において、その影響を長期的な視点で考えることが重要です。
PL、BS、CFの重要性 - 財務の基礎がブランドの未来を形作る
少しだけお堅い話になりますが、出口戦略を考える上ではなくてはならないもので、逆にこの3つのシートさえしっかりしていれば、ほぼ勝確です。
財務報告の基礎知識:
財務諸表は、ビジネスの健全性を測るバロメーターです。
利益損失計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)は、経営者が賢明な決定を下すための重要な情報を提供します。これらの報告書を理解し、適切に管理することは、あなたのブランドが持続可能な成長を遂げるための第一歩です。
いわゆるビジネスにおける通知表のようなものなので、「財務はちょっと苦手なんだよね〜」という方も、PL、BS、CFを全く理解せずして、投資を受けたり、事業を売却することは難しいので、ここだけは抑えておきましょう。
PL、BS、CF財務報告書の基本的な構造と違い
まずは、大事な3つのシートの違いをざっくり説明しますね。
BLUE BOXさんの記事がわかりやすかったので、こちらから引用させていただきます。
一年間に稼いだ利益 PL(損益計算書)
売上−費用=利益。
とってもシンプルです。
また、収益は売上高から、費用は原価や一般管理費から算出され、最終的な利益は営業外収益や費用を含めたもの
一年間に稼いだ利益 PL(損益計算書)
CFとは、営業活動、投資活動、財務活動による現金の流入と流出を示し、期末の現金残高の変化を追跡することができます。
一年でキャッシュがどれだけ増えたか、減ったかということです。
これまで蓄積された財産の状態 BS(貸借対照表)
資産、負債、自己資本のバランスを示しています。
資産と負債+自己資本が等しくなります。
自分の会社や事業にどれだけの価値があるのかが、BSでわかります。
今さら当たり前と言う人もいれば、スモールブランドだと基本PLは気にしているけど、BSまで考えていないという人もいるのではないでしょうか。
ただ、出口戦略にとって重要なのは、CF、BSです。
ざっくり言えば企業やブランドにとって、CFが良いというのが、結局これです。
PL、BS、CFを完璧にしなくても大丈夫 - スモールブランドの強みを活かした出口戦略
とはいえ、CF、BSがたとえイマイチだったとしても、買い手や投資先はコンピューターでただ数字だけを見て判断しているわけではありません。
銀行や公庫の融資などであれば、ほぼほぼ決算書、財務諸表によって◯✕がついてしまうのですが、投資や特にM&Aの場合は、必ずしも財務諸表が悪いからといって、◯にならないわけではありません。
その秘密はなぜかというと、独自性と将来性にあります。
数字を超えたブランドの価値:
小規模ブランドは、独自性と将来性で大きな価値を生み出すことができます。財務諸表が完璧でなくても、ブランドが持つ独特のストーリーやビジョンは、市場での際立った存在感を確立します。
たとえ今は赤字だったとして、投資家は数字だけでなくブランドの成長潜在力に注目しています。
人間性とビジョン投資家を引きつける真の魅力:
ブランドの背後にある人間性とビジョンは、投資家を惹きつける力を持っています。あなたのブランドが目指す未来と、それを実現するための情熱は、財務的な数値以上の価値を持つこともあります。これらの要素を前面に出すことで、投資家との強い絆を築き、支持を得ることができます。
シナジーと成長戦略:
成功への道は、単に財務諸表の数字を改善することだけではありません。M&A後、新しい市場におけるシナジーや協業の戦略を明確にすることも重要です。あくまでこれまでは投資のフェーズであり、この先は利益が大きく回収できるフェーズになるという成長戦略を提案します。
最後に - ブランド成長のための継続的な学習と未来への第一歩
ブランド成長のための継続的な学習:
成功するブランドを作るためには、まずはリーダーは常に学び、進化し続けることが大切です。市場のトレンド、消費者のニーズ、技術の進化に注意を払い、それらの知識をビジネスに活かすことが、ブランドの出口戦略にも大きく繋がります。
未来への第一歩:
あなたのブランドの旅は、ひとつの終わりを迎えることで、新たな始まりを迎えます。今日から始めるあらゆる努力が、明日の成功への基盤を築きます。
出口戦略って聞くと難しいのかなぁと思った方は、こちらのLINEを登録してもらえたら、個別に質問もできます。
わからないことは、経験者に聞くことが一番手っ取り早いかと思います。
てことで、今日はここまでです。
最後まで読んでくれてありがとうございました^^
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本間 英俊
追伸:
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