#3 女性管理職が増えると何がいいの?

割引あり

ほぼ週刊 : エビデンスで考える人事と組織とDE&I」だが、なんとかかんとかほぼ週刊のペースを守って1月を終えられそうだ。
さて、第3回は組織とDE&Iの観点から。現在、政府から女性管理職比率を30%という指針が出ており、大手企業を中心に女性管理職を増やす施策に取り組んでいる。私も女性管理職を増やすためにどうしたらいいか?といった類の相談を受けることがあるが、会社の上層部や現場の部課長レベルであっても「なぜ女性管理職を増やさないといけないのか」という疑問を持っている人も少なくないだろう。もちろんイノベーション、生産性のためという話もあれば、そもそも女性が平等に扱われてないのでその是正といった視点もある。いろいろな視点はあるが、女性管理職が増えれば意思決定に女性の視点が入っていき、女性にとって働きやすい職場や公平な制度になっていくことが期待されていることは間違いない。経済学の分野でジェンダーの研究は多く、女性管理職が増えることが上述の目的を満たすのか?といった疑問に答える研究も多く蓄積されている。今回はその中からKunze et al. (2017)を紹介する。

女性管理職の恩恵を受けるのは誰?

女性管理職を増やす理由に関してさまざまな議論があるが、それによって例えば男性が不利になってしまうようであれば何の意味もない。むしろ男性管理職だけでは実現できなかったこと、例えば男女賃金格差が埋まるなどが理想だ。

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