知らなかった男・3 22.10.14
このようにドラマと原作本の落差があまりにも激しく、ドラマを観たあとのせっかくの感動が多少――いや、かなり褪《さ》めてしまったのは否めない。
ついでに言えば、これまで「サトルたん」と呼び敬愛していた松尾サトルのことも――。
別の言い方をすれば、ここまで共感しづらい人物の話を、ここまで感動的に仕上げた脚本家の腕はかなり優れていると言っていいだろう。
ゲイ関連のエピソードは、原作本ではほぼ無いので、祖母が兄武志に教え諭した、
という事実も、本人のエッセイの中では書かれていない。
ただ、このシーン自体は素晴らしいと思うし、ドラマ自体の完成度も高かったと思う。
なので、これからこのドラマをご覧になる方は、あくまでもフィクションであることを理解した上でご覧になると良いだろう。
原作本を読まれるか読まれないかはご自身の判断にお任せするが、僕としてはあまりお勧めはしない。
ただ、ここまで自分の駄目さ加減を描き切れる松尾氏は、文才がかなりあると思う。
でも、個人的には、「ぽっちゃり太賀」氏が演じた、「松戸サトル」のイメージのままでいてほしかった。
おわり
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