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なぜ今?? 21.8.14

先日、BS12で、なぜか『借王 THE MOVIE 2000』というビデオ映画が放送されていた。
哀川アニキの主演で、Vシネマ系というか、多額の借金を抱えた主人公が同様の境遇の仲間たちと組んで、悪徳企業・反社などから金を巻き上げる話である。
そこまで興味がある内容ではないのだが、おまかせ予約になっていたので、とりあえず録画して飛ばし見で観てみたのだが……。

途中、主人公の仲間でクラブのママをしている女の店に、女装をしたゲイ二人が来て、今回の敵役と親しいという「オカマ」(と、ママが劇中で呼称)の話を聞く。

あ、これは……。

以下、ネタバレになるが、終盤近く、宍戸ジョー氏演じるヤミ金グループの元締めである男との対決シーンで、志賀マサル氏演じる悪徳刑事が二枚の写真を出して、宍戸氏に見せる。
それは、梅津サカエ氏が演じるゲイ(女装?)バー店員の、素顔と女装メイクした時の写真。

志賀「よっぽど親しい男のようやな」
それまでコテコテの関西弁を使いどやしつけていた宍戸、愕然。
そこへ、股間が強調された下着を着けた、裸の男の写真が短く何度もカットバック。
宍戸「(突然女言葉で)……聴いてたのぉ」

あぁ……。
昔、ゲイがドラマ・映画に出てくる時はこんな扱いだったよね……。

・ゲイであることはバレてはいけない秘密
・もしバレたら身の破滅を伴う
・素性がバレたら突然女(オネエ)言葉
・登場するのは、女装・メイクをしているゲイが中心
・悪意のない「オカマ」呼ばわり


ただ、この内容に怒っているわけではない。
ゲイ差別的な内容でもなく(当時としては)、ゲイを否定したり茶化しているわけでもないし。登場するニューハーフも美人系で、おそらく本物だと思われる。
ただ、それはゲイの一面にすぎず、あくまでノンケ向けのエンターテイメントとしての扱いなのだなぁとは思った。

ちなみに、この映画どこかで観た記憶があったのだが、映画『タイタニック』の地上波初放送に対抗して、金曜ロードショーで放送されたという。
今では考えられないが。

二十年前、地上波で観た時の感想は、もう少しネガティブな諦めに近いものだったかもしれないが、今は、多少は世間の理解が進んでいる――と思いたい――ので、まぁ、昔はこうだったよね、という印象。

それはそれとして、なぜ突然BS12がこの映画をゴールデンタイムに放送したのかは大いなる謎ではある。



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