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神様が言ったの? いつ? 何時何分何(略) 21.6.7

僕は美輪さんのファンで、彼(女?)が出演される番組はよく観ている。
テレビだけではなく、ラジオも。

『薔薇色の日曜日』という、美輪さんがMCのミニラジオ番組が去年の三月まで放送されていた。
基本的な番組構成は、美輪さんが好みの音楽を流すことが多いのだが、たまに、リスナーからの質問に答えるコーナーもあった。

その中で、あるリスナーから「なぜ世の中では、同性愛は良くないと見なす人が多いのか」といった質問があったと記憶している。
それに対しての、美輪さんの答えは、うろ覚えだが、「戦争をするのに、人が足りなくなると困るため、国が『神様が同性愛を禁じている』ことにした」だったと思う。
要するに、「神が禁じている」と言ってしまえば、人間としてそれ以上反論ができなくなるわけである。

「LGBTは種の保存に背く」――国会議員が発したこの言葉も、それに類したものだろう。「生産性が無い」うんぬんと表面的には似ているが、生物としての根源性を持ち出して否定しているところが、なかなかではある。

「生産性」の時にも話題になったが、子供を作らない・作れない異性愛のカップルも一定数いるわけだが彼らには言及せずに、自身のLGBTQへの「ふわっとした嫌悪感」、もしくは「個人的な伝統観・家族観」を正当化させるために、もっともらしい理屈として、同性カップルに子供が生まれないことを葵の御紋のように振りかざしているようにも見える。

嫌悪感を持つこと自体は仕方がないにしても、それを「神様」や「生物の本能」を持ち出して正当化するのはフェアではないだろう。
神様が「そんなこと」を言ったかどうかは、まさに神のみぞ知る。


人口減少は、たしかにゆゆしき問題ではある。
しかし、子供を作るのは人間の義務ではない。
まして、子供を育てるのに不向きな人間が子供を授かったとしても、育児放棄したり、虐待する例もけっして珍しいものではない。

LGBTQは誰かの許可を得て存在しているわけではない。すでに存在しているものに対して否定をされたところで、某ドラマのように、すぐに本人の意志でやめることができるものでもない。

LGBTQに限らず、人は国のために生きているわけでもないので、カミングアウトするかどうかは別として、美輪さんのように堂々と生きていく、ただそれだけである。





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