季節を巡る行事食、山形県の笹巻き
旧暦の端午の節句と笹巻き作りはセットの行事のように考えられていて子供の頃は母や母方の祖母と一緒に作った思い出の食べ物です。結婚してからも母が大量に作って送ってくれます。今年は1回目30個、2回目20個で合計50個の笹巻きが我が家に届きました。自分ちで食べる分と兄の分と友人にもおすそ分けすると聞いているので全部で100個近く作ったんだろう。その大半を我が家に送ってくれました。
毎年、山形出身の実母の友達が笹の葉と笹のひもを実家に送ってくれます。それをもとに実母が笹巻きを作ってくれます。両手はリウマチで思うように指先が使えないながらも今年もたくさんの笹巻きを拵えてくれました。
去年は笹の葉を冷凍していてくれて夏休みの帰省中に実母と私と子どもたちと三世代で笹巻きを作りまして、楽しい思い出の1ページになっています。
山形県の郷土料理・笹巻きの作り方やおいしさをまとめました。
笹巻き
20個分の笹巻きの材料
もち米 3合
笹の葉 40枚
い草(ひも) 20本
(ひもが足りないときは、すずらんテープで縛ったこともあります)
もち米を十分にうるかしてから(ふやかしてから)笹の葉2枚でくるんで三角形にし、ひもで縛ってゆでる方法で作ります。
私が子供の頃は一度に50個の笹巻きを包み10個ずつ束ねて作りました。それを2~3回作るので相当な量だったと思います。
①一晩かけてもち米をうるかす(水につける)。ザルにあけて水をきる。
②笹の葉は熱湯にくぐし、ザルに広げ水気を切っておく。
③笹の葉1枚を三角の筒状にして盃1杯を目安にもち米を入れてもう1枚で蓋をするように包み、ひもで結ぶ。
この時もち米が下からこぼれないようにきっちり包む。
④大きなお鍋にたっぷりの水に③をいれて沸騰したら1時間ほどゆでる。ゆであがったら重ならないようにザルに広げて冷ます。
柔らかいのが好みなら、ゆであがった後そのままお湯に30分位浸してからザルにとるともち米の粘りが増します。
ゆでたては食べません。しっかり冷まします。
食べられるようになるまで大体二日かかります。
笹の葉
防腐剤の役目があり、昔から保存食とされてきました。
笹巻きの美味しい食べ方
笹の香りがもち米に移り、さわやかな香りとともにきな粉をまぶしながら食べます。
①まずはきな粉を準備します
きな粉2:1砂糖に塩少々。
きな粉と素精糖とハマネをひとつまみ。
②紐を外して2枚あるうちの1枚の笹を剥がし、もう一枚の笹にくっついている餅を箸で剥がすところ。
③きな粉のお皿にドーン!
この食べ方が一番おいしくて、あんこや納豆でやってみましたがきな粉にまさる味が見つかりませんでした。
あおばたきな粉で食べた思い出。
香ばしいきな粉と甘じょっぱい味が東北ならでは。
甘い餅をたべながらしょっぱいおかずをたべる。
甘い団子を食べながらし煮物や漬物を食べる風習があるのもその地域ならではの食事スタイルなのかもしれない。
甘い団子がごはんになるの?食事になるの?と疑問に思うこともあるでしょう。私が育った仙台でも甘い団子が一般的で、きな粉をまぶして食べる笹巻も結果的には甘いモチ。漬物も自家製が多く各家庭の定番の漬物がありました。
そろそろ食べたいと思うのはこの時期になると毎年食べていたからだろう。
作り方は知っていても生の笹の葉が手に入らないため今でも作ってもらうばかりです。
送ってもらった笹巻きを食べきれず冷凍したこともありましたが、やはり笹の若葉の美しいうちに食べるのが一番おいしいです。
季節の巡りを感じる行事食として笹巻きを娘たちに伝えていきたい。