尖った小石を懐かしむように(詩/シロクマ文芸部)
過去にあった格段にいいことよりも
過去のよくなかったことに
声をかけてあげたいのです
懐かしいよ
ありがとうって
あの頃のおかげで
ほんの少しだけど
強くなれた気がするって
まっすぐに
伝えられたらさいわいです
時は音をたてずに流れてゆきます
かなしいことは無理に急いで
どこかに捨てに行かなくていいよね
小さな川が透明な海へと続くように
四季の水の流れの中で
尖った小石が
しだいに丸くなってゆくように
ゆっくりとゆっくりと
かなしいことは
捨てるのではなく
少しず