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自分で、自分の好きなものを作ること

あぁ、これでいつでも幸せになれる。

いつかのクリスマス、私はキッチンで一種の安心感に浸っていました。のちに自分の中での恒例行事となるジンジャークッキー作りをしていた時のことでした。

私はクリスマスの頃になるとどうしてもジンジャークッキーが食べたくなるので、IKEAのジンジャークッキーを買い込んでは、じっくり消費するのが冬の楽しみになっていました。

けれど、初めてジンジャークッキーを手作りした年。

レシピ通りの分量で作ったところ、私が想像していたよりはるかに多く生地が作れてしまったのです。そこで、半分はその日に焼き、もう半分は、後日焼けるように冷蔵庫にしまっておくことにしました。

その時、これを冷蔵庫から取り出して、型を抜いて焼きさえすれば、いつでも私は幸せになれるのだ、とふいに思ったのです。そう分かった時の幸せは、安心感にも似たものでした。だって、自分は自分をいつでも幸せにできる、と分かったのですから。



ジンジャークッキーに限らず、自分で、自分が好きなものを作るというのは、本当に幸せなことです。私は書くことが好きですが、もし書くことを禁じられたら、次はお菓子作りをするだろうと思います。

自分の好きなものを作って食べられる幸せ。それは、”書く”ことにも勝る幸せなのです。自分で作ればできたてを食べることができますし、味つけも完璧に自分好みにすることができます。

これを読んでくださっている皆さんが好きなものは、何でしょうか?

おいしい料理?
甘いお菓子?
美しい絵?
わくわくする音楽?
綺麗な刺繍の作品?
きらびやかなアクセサリー?

どんなものが好きかは、分かりません。でも、それらを買うのではなく、作ること。作れると知っていること。それは、「自分には自分を幸せにできる力がある」という自信や安心感に繋がると思います。

いつだったか、ケーキを手作りした年もありました。自分や家族を笑顔にするものを自分で作れると知った時の喜びも、大きなものでした。

クリスマスには自分の好きなものを食べようと思っている人も多いと思います。それらをお店で買うのももちろんいいですが、作ってみるのもおすすめです。きっと、より幸せな時間を過ごせるはずです。

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この作品は、アドベントエッセイです。クリスマスまでの24日間をワクワク過ごしてほしい、という思いから、「24年の人生で見つけた、24の幸せ」をテーマに毎日1本ずつエッセイを書いています。

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元町ひばり
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