本記事でやっていることの要約三行
前提
本記事の狙い
生成 AI / LLM の一つの可能性を探ってみる
これを機にそれぞれの文豪について興味を持ってくれたら嬉しい
単に私がやっていて楽しいので、楽しさを伝播させたい
本記事読者へのお願い
生成 AI / LLM について
「調教」においては『青空文庫』より「新字新仮名」のものを選んで、それぞれの文豪の文体の特徴抽出をおこなっています
調教・出力ともに Anthropic の Claude 3.5 Sonnet を用いています
お題の文章は LLM にコンテクストとして渡しません。LLM 内で既に保有されている知識に負うものとします
それぞれの出力ごとに別々のスレッドを新しく立てています
「調教」という語について
文豪のチョイスについて
お題
素の Claude 3.5 Sonnet
まず、比較のために、素の Claude 3.5 Sonnet なら、どのような文章を出力してくれるか、見てみましょう。
ぜんっぜんダメだよ! こんな文章を受け取ったら、明らかに「こいつ生成 AI で作った文章コピペしてきたな……」って思われて、関係性終了だよ!
そりゃ素の Claude 3.5 Sonnet だから、「生成 AI っぽさ」という概念そのものではあるのだけれども。
夏目漱石
調教済みでの出力
いきなり上司からこんなメールが届いたら、「お、おう……」とはなりますが、でも、読み進めていくうちに、結構こころに響いてきたりしないものですかね?
最後の方、いいこと書いてるなーとか思ったけれど、それは落ち込んでる当の本人ではないからかな……当の本人としては、これ言われてもウザいだけかな、どうかな……
芥川龍之介
調教済みでの出力
いきなり何を言い出しているんだ! という感じで蝶だの嵐だの出てきて、バタフライエフェクトが念頭に置かれているのか……? などと邪推もしましたが、やっぱり読み進めていくうちに、何だかんだうまいこと言ってるなーと思わされます。
でも、やっぱりこれも、ミスした当事者が受け取ったら、「うぜぇ……」と思ってしまいそうですね。第三者が読んでるなら笑えるんですけれどね。
太宰治
調教済みでの出力
あれ!? 意外にもこれいいんじゃない!? 漱石と芥川よりいいんじゃない!? って思ってしまったのは、三人目に至って既に読み手としての感覚が麻痺してきているせいでしょうか。
「行こう、佐藤君。新しい朝に向かって」でやっぱり吹き出してしまいましたが、でも、上司側も弱みを見せて寄り添うという姿勢、これ、悪くないんじゃないでしょうか。うん、やっぱり漱石と芥川より良いと思う。
幸田露伴
調教済みでの出力
露伴の文体で「我が部署における業務フローの見直し」というフレーズが出て爆笑してしまった……
いやいやいや、露伴のこの硬さも、良いなー! 太宰に並んで、いや、太宰を超えてきたかもしれない。
ものすごく古めかしいから、普段からこの調子でのやり取りをしていないと、「突然どうしたんだトチ狂ったか!?」と思われること必至なわけですが……でも、70 代くらいの社外取締役とか顧問とかからこんな激励の文章を受け取ったら、奮起してしまいそう。
泉鏡花
調教済みでの出力
ダメだよ! いきなり部下の下の名前を呼び捨てにしたりしちゃ!
全体的にクサすぎてダメだよ! ビジネスの関係性で送っちゃダメなやつ!
泉鏡花が一番ビジネス現場には向いていない文体でしたね。それはそう。知ってた。
おわりに
雑感
いやー、面白かった。
このシリーズで初めて、いわゆる「元ネタ」ありきではない試みだったので、新鮮で、全体的に一番笑えたかもしれない。
優勝は露伴かな? 次点で太宰。三番目が漱石で、芥川、最後に断トツの NG が泉鏡花でしたね。笑った笑った。
引き続きこんな感じの「元ネタ」なしのものも織り交ぜてやっていきたいなーと思っています。
「元ネタ」ありなものについては、ぜひ以下の 0001 回目などもご覧ください!
調教手法について
なお、調教手法についての概要は以下の記事に記しています。
興味ありましたらこちらもご参照ください!
自己紹介