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「広報」は種をまく仕事。芽が出るときもあれば出ないときもある。【研究機関の広報ひとりごと①】

こんにちは、みねこです。
現在、研究所の広報担当者として仕事をしております。

広報の仕事を担当し始めて思ったこと。

「◯◯を広報してください」と言われるときの「広報」が、SNSやらニュースレターやらプレスリリースやら、とりあえず各種媒体にお知らせを掲載してください、を意味するとき。

それって、厳密には「広報」じゃなくて「宣伝」だ、と。

自社の商品…すなわち私たち研究所で言うところの、本・論文などの成果を「宣伝する」だけで終わりならば、それは研究所の広報担当者ではありません。
もちろん、広報業務の一環として《各種媒体にニュースを載せること》はあります。ただ、それが広報という仕事の全てではないのです。

広報担当者の本当の役割って何だろうか?


広報担当者が取り組むべきことって、宣伝の部分だけではなくて、むしろ、そのお知らせがリリースされる「前後の部分」なんだよな、と私は思うのです。

SNSを更新したり、ニュースレターを書いたりすることはあくまでも手段。

誰に、何の情報を、どうやって届けるのか。
その先に、情報を届けた相手と、どのような関係を結ぶことができるのか。

その相手にとって、私たち研究所が取り組む途上国研究が、どのような存在になるか、を考えることが広報なのだと私は考えています。


そのためには、研究所の「内側と外側」、あらゆる人たちとの関係性づくりにも取り組む必要があります。

ここで重要なのは、「内側の人たち(同じ研究所や組織に属している人たち)」も含んでいること。「前後の部分」に取り組むには、組織の内側の人たちの協力が必要不可欠だからです。

そしてもう1つ、広報担当者として仕事をしていて気づいたことがあります。

広報は「種をまく」仕事である、ということ


これまで、研究成果を社会に分かりやすく伝える方法を模索し続けてきましたが、さらにその先にあるのは、次世代の研究の担い手を増やしていくこと、なのです。

研究所からプレスリリースを発信していくことも必要だけれども、次世代の人たちに、途上国・新興国に興味を持ってもらい、新しい学びを得るきっかけ、例えば留学への挑戦や、研究への興味関心を引き出すことができるならば、研究所の広報担当者としての本望。

まずはその入口として、率直に、研究者の顔や研究活動の現場を見せて、職業としての魅力を伝えることも大切なのではないでしょうか。

研究成果を届けるターゲットは誰なのか?とか、研究成果がいかに多くの人に届いたか?を測ることばかり考えるのではなくて、
もっと単純に、研究者になるって、研究所で働くってなんかカッコイイ!と思ってもらえるような、そんな研究所発信のコンテンツが、もっとあっていいはず。


ある方に、広報って種をまく仕事のようだ、と言われて確かにそうだなと思いました。

色々なところに種をまいても、いつ芽が出るか分からない。
芽が出ないときの方が多いかもしれない。

忍耐が求められるけれども、同時にそれが広報という仕事の醍醐味だな、とも思います。


私の場合は、これから研究に携わる全ての人たちのために種をまいています

研究に色々な関わり方があっていいと思っているし、研究の積み重ねで出てきたものには色々な形があっていいし、研究がもっと日常に身近なものになればいいなと、日々思っています。


※本記事に書かれていること、このnoteで発信していることは、全て個人の見解に基づくものです。いずれも所属機関の公式見解とは関係ありませんので、どうかご了承ください。


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