必要なのはケア?セラピー?
過保護や不登校など教育に関する問題はたくさんあり、子どもと親、子どもと教師の距離感に悩まれる方も多いと思います。
また、人を育てる立場にある方々、たとえば仕事上でのリーダーや経営者の方にも共通するかと思いますが、とにかく難しいのは相手との距離感かなと思います。
子どものこと甘やかしすぎ?
部下に任せたいけど気持ちは伝えたいし、どこまで言うべき?
など、、、
そんな不安のある方へ、今回はカウンセリングの視点から少しお話しを。
ケア
ケアとは傷つけないこと。
その子の課題に触れず、とにかくわがままを聞いてあげることです。
相手の依存を引き受け、本当は自分でやるべきことを代わりにやってあげることこそがケアになります。
例えばご飯をつくってあげたり、着替えを用意したり、仮病の時に休ませてあげたり、計画を全部考えてあげたり、、、
ひとつひとつの行動こそがケアであり、とにかく尽くし、甘やかすことが愛の土台となります。
セラピー
ケアで培う愛着は大切ですが、そればかりだと相手の可能性を狭めてしまったり、親ならば過保護になってしまう可能性も。
*過保護:親の問題を子にぶつけている状態。
ケアが十分にできている状態になれば、セラピーを行うことで相手の行動や考え方を変えることができるかもしれません。
セラピーとは、あえてケアしないこと。
甘やかさないことで自立を促します。
また、必要な声掛けや事実を伝えることで、相手の気づきを促します。
ケアとセラピーのバランス
ケアが先、セラピーが後です。
この順番が逆になることはあり得ません。ケアのない状態でセラピーを行うことは、暴力です。
ただ、ケアとセラピーは交互に行うことが基本です。
十分なケアをしたのち、セラピーで行動変容を促す。またケアし、セラピーを行う。徐々にセラピーの比率を多くしていくことで、子は大人へと成長し、部下は一人前になっていきます。
例えば子どもが「今日は学校を休みたい」と言ったとします。
~ 初日 ~
◎ケア:1日、2日、休ませてあげる。
△セラピー:「体は元気でしょ!学校いきなさい!」
~ 3日目 ~
△ケア:とにかく子どもの言うことを聞く
◎セラピー:「学校に行きたくない理由があるの?」
見放すのではなく、見守ること。
これこそがセラピーとなります。
親や先生、ケアするすべての人へ
子どもが親を意識していない状態こそ、サポートが充実している証です。
子どもからは感謝されないことにも価値があり、子どもが常に親に感謝している状態というのは異常です。
「感謝されない価値」をケアする者同士で認め合っていきましょう。
威張ってコントロールするのではなく、次の世代をひっそり確実に育てる。
真の教育は、相手のことを分かろうとし、見守り、ひっそりと心配し続けることだと思います。
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