触れる技術 の 価値 ②
介護従事者の視点から学ぶこと
以前、介護職に就かれている方々124人に アンケート調査にご協力いただきました。
「触れること(タッチケア)が利用者にとって、癒し効果があることを知っていますか?」
・124人中 113人(91%)の方が 「知っている」 と回答。
「触れること(タッチケア)が施術者 (介護従事者)に癒し効果があることを知っていますか?」
知っている、そう感じる 54人 43% 知っているが、とくに感じない 10人 8% 知らないが、そう感じる 48人 38% 知らない、特に感じない 11人 8.8% 無回答 1人 0.8%
という回答結果となりました。
ちなみに、 理美容業者204人への同じ質問の回答は 知っている、そう感じる 49人 24% 知っているが、とくに感じない 22人 10% 知らないが、そう感じる 80人 39%
知らない、特に感じない 47人 23% 無回答 6人 2.9%
と、なりました。
介護従事者の方は、利用者の方々の身体を直接触れて支えたり、サポートすることが多いので、触れることに非常に気を遣っていることもわかりました。多くの方が以下の点は重要視しています。
・目線を合わせ、声をかけてから触れる
・力加減、手の温度に気を付ける
・触れすぎないようにする
耳が不自由であったり、視力が下がっていたりすると、より触覚が敏感になる方も多いようで、 触れることへの細やかな配慮をされていることがわかりました。
触れることは当たり前ではない
理美容業も介護従事者同様に、お客様に直接触れる仕事です。
本来、他人の頭や髪に触れるということは、かなり特別なことですが、日常的に触れることに慣れてしまっていると、特別なことをしている認識が薄まりがちで、お客様の感覚がわかりにくくなります。
また、パーソナルスペースは人によって違い 「近づかれることが嫌。」 という方もいらっしゃるでしょう。 逆に、距離感が近いことに安心される方もいらっしゃったり。
「触れること」は、癒しや安心感、信頼感を生むなどの効果もありますが、 反対に、イライラや不安、嫌悪感をつくる原因にもなり得ます。
だからこそ、 わざわざお店を選んできてくださって、担当させていただくお客様に、良い効果、心地よさを感じていただけるように、触れることへの配慮は必須だと考えます。
手だけではない
お客様に直接触れるのは、施術者の手、だけではありません。
タオルであったり、クロスであったり、ブラシやコームも該当します。
その素材感はどうなのか? ガサガサなのか、ふんわりなのか?
触れたときの当たりはどうか? ガツッて当てていないか?
時折、施術者も「お客様」になってみないと 忘れがち、鈍りがちな感覚があると思います。
「触れる」ことの価値 を 高めるために、 サロン全体の触れることに対する意識は どうだろうか?と点検してみてください。
Aya Horiguch