悩みがちな人に紹介したい、「小さく行動を変える」行動療法①〜反すう編〜
「あなたは、考え過ぎだと思うけど」
この言葉や態度に幾度となく傷ついてきた覚えがあります。好きで考え過ぎているわけじゃないのに、どうしても深く悩み込んでしまい、結果しばしば塞ぎ込むことになる。
「考え過ぎかな?」と頭によぎると、「なぜ私は考えすぎるんだろう」が脊髄反射のごとく立ち現れて、また私を悩ませます。
本記事では、悩みがち・考えがちな人のために、行動活性化という手法から、「自分の悩みがちパターンから行動を変えて、気分を変える」ステップについて紹介します!
悩みすぎ≒反すう かも
「悩みすぎだ」と言われる時難しいことは、深い思考によって問題解決をしたり状況を前に進めた成功体験もあることでしょう。自分のいいところでもあるのにな、と考え、そのアドバイスが耳に入りません。
一方で、考えていたつもりがこんな状況に陥っていることはないでしょうか?
このような状態は「反すう」と呼ばれ、問題解決や思考とは区別されています。
反すうは問題解決とは異なる
問題解決のために考える場合は、その問題の具体的解決か、少なくとも前に進むための時間になるはずです。一方反すうは、問題解決の前進というよりは、不安や抑うつを強めるような効果を発揮してしまいます。
また、離別や仕事を失うといった悪いことがおこったために、数日から数週間悲しむような経験とも異なるものでしょう。
反すうは体験への注意を削る
反すうは、体験(目の前や周囲の状況や起こっていること)への注意を知らず知らずに減らしています。反すうするとき、ぼーっとしてしまい、周囲に気づかないときはないでしょうか。
どんどん内側に塞ぎ込み、それによってさらに気分が悪くなるのが反すうです。
反すうを判断する2分間ルール
反すうをしている可能性があれば、反すうをそのまま2分間続けてください。そしてやめ、以下の質問に答えてみてください
3つの質問のうち3つともが「いいえ」ならば、反すうの可能性があります。そんな時には、考えることより行動を小さく変えることが役立つでしょう。
反すうを合図に、行動を変える
2分間ルールなどで反すうに気づいたら、それを合図に代わりの行動を選択することができます。Rumination Cues Action(反すうを合図として行動する)」の頭文字を取ってRCAと呼ばれます。
反すうを合図として、どのように行動を変えるべきでしょうか。体験に注意を向けるというのがもっとも簡単で効果のある行動変化です。
例えば散歩中に反すうしやすい場合、周囲の音(鳥、風、車)や風景、においなどに意識を向けることができます。例えば仕事中デスクで反すうしやすい場合、読んでいる文字や自分の姿勢、呼吸に意識を払うことができます。
行動を変えるためのワーク
2分間ルールで反すうに気づいたら、「反すうだ」と声に出しラベリングをします。そして何が起こっていたのか、以下の3つ(状況・反すうの内容・結果)で考えます。
次に、RCA(反すうを合図とする行動)として、代わりの行動を考えます。体験(周囲や自分の状況、起こっていること)に注目することがポイントです。
体験に注意を払うことは、反すうをコントロールする
体験に注目することは、自分の周囲で起こっていることや、それをどのように感じ、考え、意識しているかに注意を向けることです。
反すうが「心ここに在らず」だとすると、体験に注意を払うのは「マインドフルネス」と言えるでしょう。
終わりに
いかがでしたでしょうか?思慮深さに素晴らしさが息づく一方で、行き過ぎた内省は反すうとなり、日々と生活を暗いものにしてしまいます。
反すうに気づいた際は、注意を周囲や自身に払い直すという代わりの行動を選択することをお勧めしますし、ご自身にあった反すうしやすい状況や代わりの行動を探してみてください!
きっと、負の感情やネガティブな考えを否定せずに、ただ「反すうだ」とラベリングしてあげるだけで、考えがちな自分のまま具体的な問題解決に取り組むことができると信じています!
書いた人
生き方テラコヤでは、”わたしの豊かな生き方に踏み出す1ヶ月体験”を行なっています🌿
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出典:創元社,マイケル・E・アディス他,うつを克服するための行動活性化練習帳