長編|恋愛ファンタジー|ゆるやかな誘導尋問-6-
ランプの炎が揺れ、ほの明るく照らし出された壁にうつる影が乱れる。
寝台のかたわらに引き寄せた椅子に座るハルは、前ぶれなく肩にかけられた温かみに驚き、外套をかけてくれた人物を見上げ、ていねいに礼を言った。
「お休みにはならないのですか?」
リドルフは目で長椅子に横たわる老女を示して訊いた。
「メイラは襲撃にあった時、老体に鞭打って剣を振るい、賊を必死で追い払ってくれたのです」
ハルは目を伏せ、薄く笑う。
「私は、守られていただけで何もしなかった。こうしているぐら