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わが家の家庭療育方針~親が自分に優しくして初めて子どもを受け容れられる~

こんにちは(*^^)v

ガンや膠原病や潰瘍性大腸炎などの持病の治療と養生を通じて、自らの課題の克服を目指すサウンド・クリエイター、Koki Kobayashiです。

今日は「わが家の家庭療育方針~親が自分に優しくして初めて子どもを受け容れられる」と題してお話ししたいと思います。

それではよろしくお願いします(*^-^*)


子育ては大事業です

子育ては親育て~育児に関する助言が溢れる世の中で

子育てすることが難しい世の中ですね。

わが家の娘たちがふたりとも自閉症スペクトラム障害だからそう思うのもあるかもしれませんが、定型発達のお子様を一所懸命お育てになっている親御さんにとっても、育児の難しさを何かと感じなさる機会が多い昨今の世相なのではないでしょうか。

メディア上には、「わが子がかわいく思えないがどうしたらいいか」という相談が溢れかえっていますし、その切実な問い掛けに対する心理師や小児科医の諸賢による解答が列挙されています。

最近では、ある小児科の女医さんが「発達障害と診断されている子の中には、質の良くない睡眠や乱れがちな生活リズムのせいで発達障害様の症状を呈している子どもが稀ならず存在する」と主張しておられます。

私がその女医さんのご見解についてどのように考えるかについては今回お話ししませんが、特に発達障害を持つ子どもの育児の難しさに関して、あらゆる局面が親の責任に帰せられる論調が目立つことについては、私は幾ばくかの懸念をおぼえるものです。

子育ては親育てです。

子どもを育てていくプロセスは、親が自分を育て直していくプロセスです。

完璧な人などいないのですから、どんな親も完璧に子育てができるわけはないのに、子育てに関してはどうも「その道のプロ」らしき先生方からの親に対する要求が過剰なように思います。

子どもを育てるプロセスの中で、親は自らの課題や人生のトラウマを自分のこころの中に見出して行く時があります。

子育てする中で、親は自分の挫折感や様々なコンプレックスとも向き合いながら、毎瞬こなさなければならない待ったなしの育児のあれこれに取り組むことを余儀なくされるのです。

親とは別人格である子どもを育てるということも、家族をマネジメントしていくことも、どんなに工夫を凝らしても、それはビジネスより遥かに大変な仕事なんだと思った方が、親御さんの肩の力が少しは抜けるように思います。

その道の専門家を名乗る方々のアドバイスが、どうかすると育児に悩む親御さんたちを追いつめていることがありはしないかと私は憂慮するものです。

子育ては大事業です~子どもは親とは別の人格です

育児に関する助言を行っているインフルエンサーの方々にとっても、子育てが一大事業であることには変わりがないと私は思います。

子どもは親とは別の人格です。私たちは、たとえわが子のことであっても、ほかの人のことを意のままに変えることは出来ません。

ひとを想うように操作できると思うなら、それはもはや洗脳の世界のお話ですね。

ちょっと言葉が過ぎるかもしれませんが、子どもや親に対する洗脳は、虐待マインドコントロールにつながり得ることを私は銘記しておきたいと思います。

私たち親は、思うようにならないわが子に対してイライラしたり苦しんだりしますよね。

そのイライラの背景には、人それぞれにケースバイケースの理由があると思います。

それは本当に多因子的で多様な背景ですので、それらを十羽一絡げにして「親のイライラはこういうノウハウで対処しましょう」と指南するのは、精神医学的にはちょっと拙速に過ぎる主観的な助言なのではないかなと私は思います。

どの親御さんにとっても、子育ては思うようにならない自分と子どもを抱えつつ時々刻々取り組む大事業ですから、親子ともに必要に応じて適切なケアとサポートを受けることは、恥ずかしいことでも何でもないと私は考えます。

現代の子育てが難しい理由は多因子的です

今は子どもの数も減少傾向にありますし、核家族化も進んでいます。

男女雇用の機会均等化が進んだと言えば聞こえはいいですが、夫婦共働きをしないと家族を養えない現実がありますよね。

現代の親御さんたちは、家族を養い自分を養うために、非常に多忙で苛酷な生活を強いられています。

「忙しい」という文字は「心を失う」と書かれるとはよく指摘されることですが、確かにあまりにも多忙ですと、心にゆとりがなくなりがちですよね。

現代の夫婦はあまりにも忙しいからイライラしやすく、子育てにも余裕がなくなりやすいということも識者はよく言いますね。

ここで、私は今日それとは別の観点を提示したいと思います。

それは、親御さん自身の健康な自己愛と愛着の傷つきが、子育てをいっそう難しいものにしているのではないかということです。

親だって昔は少年少女の時代があり、思春期から青年期にかけてはその人なりに傷ついたり悩んだりして生き抜いてきたんだという「親の生活史」に対する配慮が、ともすれば従来の諸賢の考察の中ではあまり言及されてこなかったように愚考いたします。

いま親御さんになっている方々も、みんなそれなりに傷ついたり、悩んだりして大きくなったのですよね。

親が子どもの自己肯定感(≒自尊感情self-esteem)を高めたり、わが子の自己効力感を養うべきだという御意見もありますが、そもそも親自身がその生育過程において傷ついたり、自分の養育者と良い愛着を築くことが出来ずに苦しんでいたり、トラウマを背負っていることが少なくないことは、もっと考慮されて然るべきだと思います。

いま親となっている人がわが子を大切に育てる重要性は論を待ちませんし、そんなことは大多数の親御さんが先刻御承知のことですよね。

それなのに、どうして母親と娘の関係がしっくりいかないことがあるのか。

どうしたら、例えば発達障害を持つわが子の家庭療育をもう少し和やかで効果的なものにできるのか。

どうして可愛いはずのわが子の姿の中に、傷ついた親御さん御自身の影や、親御さんとその養育者との傷ついた関係性の記憶が投影されてしまうのか。

今日は、傷ついた孤独な親御さんの心理を理解するための臨床心理学的かつ精神医学的なエビデンスにまで話を広げません。

今日は一つだけ、実践的なご提案をしたいと思います。

それは、「親が自分に優しくして初めて子どもを受け容れられる」ということです。

寝ているのが長女で、歌っているのが次女です(*^-^*)

親が自分に優しくして初めて子どもを受け容れられる

親御さん自身が傷ついた自己愛アイデンティティの問題を持ち続けてしまって、そのトラウマやダメージが手当てされずにいますと、親子の間で愛着形成をするどころか、互いに欲求不満になって裁き合いが始まってしまいます。

親子関係に限らず、ひとはまず自分のこころの器が健康な自己愛で満たされていないと、他者のことをあるがままに受け容れて、相手のありのままを愛することは出来ません。

まずは親御さんご自身がご自分の成功も挫折も丸ごと受け容れて、「あぁ、私、いろいろあったけれど、今まで精いっぱい生きてきたんだなぁ。私、頑張ってるんだなぁ」と、ご自身のことを丸ごと労わって差し上げていただきたいと切に思います。

ご自身のあらを探して自責的になるよりも、とにもかくにも今まで生き抜いてきたご自分のことを褒めてあげてほしいなぁと思うのです。

ひとが生き抜くってすごいことだとは思いませんか?

いまあなたが生きておられることって、それだけでもうあなたの頑張りが認められて然るべき奇跡だと私は思います。

そのようにして親御さんがご自身のことをご自分で認証できるようになって初めて、子どものあるがままを受け容れるだけのゆとりが持てるようになります。

そうして子どものあるがままを受け容れられるようになりますと、子どもの面白さや唯一無二のその子ならではの味わいが見えて来て、その子を心から愛おしく思えるようになるのではないでしょうか。

精神分析医ハインツ・コフート自己心理学でも言うように、人間の健康な自己愛が形成される基本は、子ども時代に養育者から充分に認証されることで、ひとが自己愛の病理をこじらせることなく成長していくことです。

コフートは毀損した自己愛を持つ人が長じて自己愛性パーソナリティ障害や過剰な認証欲求の病理を現すことを解明しました。

コフートの他にも、境界性パーソナリティ障害弁証法的行動療法(DBT)を開発したマーシャ・リネハンマインドフルネスや、境界例に対するメンタライゼーションによる治療(MBT)を提唱したピーター・フォナギーとアンソニー・ベイトマンの治療論など、養育者に認証してもらえずに傷を負った親御さんたちが、ご自身を立て直しつつより健やかな子育てをして行く上でおおいに参考になる方法論はあるのです(*^-^*)

今日私が申し上げていることには、そういった精神医学の巨人たちによる裏打ちがございます。

どうかご自分に優しくして、そしてお子様に優しくなさってくださいませ(*^_^*)

イラストは妻の手によります。わが家はいつもカオスです(^-^;

結びに代えて

今日は自己愛の傷のお話に少し触れましたけれども、ハインツ・コフートなどの精神医学の巨人たちの卓越した臨床知見については言及せずにお話しして参りました。

そのため、論旨の展開についての明確な根拠やエビデンスを明示しないままに記事をお書きしましたので、読者諸兄によっては異論もあろうかと存じます。

また、私の筆致の至らなさによって、時に誤解を招くような個所もあろうかと存じます。

今日名前だけ例示しましたハインツ・コフートとマーシャ・リネハン、そしてピーター・フォナギーとアンソニー・ベイトマンの精神医学的な治療論には、育児に役立つ共通した知見がございます。

特にフォナギーとベイトマンは、いわゆる「心の理論」のケアにまで踏み込んだ治療論を提唱していますので、発達障害を持つ子どもの家庭療育に関しては示唆する所がひじょうに大きいものと私は考えています。

これらの精神医学の巨人たちの知見を発達障害を持つ子どもの育児や家庭療育に応用したお話については、また稿を改めてお書きしますね(*^^)v

今日は、わが家の家庭療育の基本方針の中でも特にその根幹を成す部分について、「親が自分に優しくして初めて子どもを受け容れられる」と題してお話いたしました。

今はほんとうに苦難の多い世の中ですが、お互い上を向いて歩いて生きましょう(*^-^*)

以上、Koki Kobayashiがお届けいたしました!

おつかれさま。お茶と甘いものでも召し上がれ!(^^)!

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