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【孫子の兵法・その37】 周りに気付かれない「地道な先手準備」をやっている部下を評価しよう!<試読版>


勝利する軍隊は、あらかじめ勝っておいてから戦いを起こし、敗北する軍隊は、まず戦いを起こしてから勝利を求めていく

こうして真の勝ち方には、名誉も功績も与えられません。

しかし、「勝利を確保するのに、既に敗れている相手に勝っているから」誤りがありません。「戦いの上手な人は、不敗の地に立ち」、敵が敗北へ向かうよう常に努めているのです。

結論を言えば「勝利する軍隊は、あらかじめ勝っておいてから戦いを起こし、敗北する軍隊は、まず戦いを起こしてから勝利を求めていく」ということになります。

あらかじめ勝っておくためには、一体何をすれば良いのか?

●全体観を養っておくこと

敵味方の力量を冷静に把握しておくのは、記述の通り当然のこととして、何よりも普段から全体を観る目(全体観)を養っておくことが肝腎です。

人より一段高い所に立って大局を見渡し、自軍の問題箇所や、「虚」にあたる弱点、相手の意図と狙い、敵陣営の指導者の実像(経歴や実績、性格や弱みなど)に対して、誰を味方の将軍に就けるか等を考えておくのです。

●流れを読むこと

それから、流れを読むことが重要です。世界の一切が動いており、陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転じます。少し長い目で見れば、この世は無常であり、固定などしていないということがよく分かります。

そこで見通しとして、このまま上がるのか、それとも下がるのか。そろそろ天井に当たって下降に転じるのか、あるいは底を打って上昇に転じるのかと。それらは、流れがあるということを前提に、私心を挟まないで考慮すれば観えてくるものです。

全体を観、核心となる状況を把握し、流れを読む。

それらを踏まえての努力が、あらかじめ勝っておくための先手準備となります。いち早く問題に気付き、素早く為すべきを為しておくのです。

ところが、「そうした手際の良さ」を認識してくれるのは、一部の識見の高い指導的上役に限られるのです。多くの人たちは、それくらいなら誰でも出来るだろうと思ってしまうのです。

本当に評価すべき部下とは?

本当に評価すべき部下とは、ファインプレーをやって人気者になっていく輩だけではありません。既に深刻化した問題を、ヒーローとなって鮮やかに解決していく者ばかりでもありません。

一番誉め称えるべき部下とは、「素人には気付かれない用意周到な先手準備をあらかじめやっておき、端(はた)からは何もしないで上手くやった幸運者と思われるような人物」なのです。

なお、アメリカ大リーグのイチロー選手は、その見えないファインプレーをやりつつ、捕球時にはスライディングキャッチをやって拍手喝采を浴びることの出来る選手でした。イチロー選手は、さらに上をいっていたのです。

戦闘になった時には、もはや決着はついている。

それから、日本を侵略しようとする国家は、あらかじめ勝っておく状況をつくるため、既にいろいろな手段を講じていると思っておくべきです。外交戦、宣伝戦、情報戦、経済戦その他、あらゆる先手準備を施していると。

戦闘になったときは、もはや決着は付いている」という悲観を元に、そうならぬよう「先手準備」を施しておかねばなりません。(続く)


🔥すべては、勝利のために🔥

●あらゆる物事には、「盛衰の循環」がある。

東洋思想の根本原理である陰陽論は、あらゆる物事に「盛衰の循環」があることを教えています。陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転じるというもので、活動は必ず波を描きます。

陰陽循環を元に「流れを読む」ことは、指導者に必須のものの見方です。
それを教えている大事な東洋思想が「孫子の兵法」です。

そこには、流れを読み、流れに逆らわないで成功と勝利を収めるための秘訣が説かれています。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実なのです。


●戦いの現場や現実から、絶対に目を背けてはいけない。

必要なことは、その厳しい現実から逃げることなく、巻き込まれて翻弄されることもなく、「戦いの現場から、如何にして進化と成長のエネルギーを吸収するか」です。そのための考え方と行い方を、きちんと示している兵法書が『孫子』なのです。

●孫子は、人生の指標となる哲学書でもある。

人生も、天分や天性を生かして、勝利し成功しなければ意味がありません。
これから皆さんと一緒に、激動の時代を生き抜くための「東洋の智恵」を、共に学び、共に体得し、実践して行きましょう!

【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。

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*今回の投稿は「試読用」とし、全て無料で配信させていただきました。

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