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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第47回「哀しくとも」

2024年12月8日(日)20時『光る君へ』第47回「哀しくとも」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
まひろ(吉高由里子)たちは異国の海賊との戦いに巻き込まれ、敵の攻撃で、周明(松下洸平)が倒れる。
一方、朝廷にも攻撃による被害状況が伝わり、動揺が広がる中、摂政・頼通(渡邊圭祐)は対応に動かず、太閤・道長(柄本佑)への報告も止めてしまう。
そんな事態を歯がゆく思う実資(秋山竜次)の元に、海賊との戦いを指揮する隆家(竜星涼)から文が届く。
やがて異国の脅威を知った道長は、まひろの安否が気になり…


■プロローグ

刀伊の入寇で賊に襲われ、周明の胸に矢が突き刺さり倒れました。
まひろは悲鳴をあげて助けようとしますが・・・・。
隆家軍の鏑矢がはなたれ、賊が怯んだ隙にまひろは、逃げるようにその場を離れました。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
♬反田恭平

■寛仁三年(1019年)

●戦況報告
行成(渡辺大知)によると、源隆国を備前介に任じることになりました。
大宰府より頼通のもとに解文が届きました。
刀伊の賊が壱岐や対馬にやって来て殺人や放火を行い、船50艘50から60人が乗っています。
馬牛を斬り老人や子供が亡き者にされ、成人男女は穀物とともに船で連れ去られたとのことです。
太閤(道長)に知らせたほうがいいという行成ですが、実資が道長に報告しました。
隆家は朝廷に黙殺されたときのことを考えて実資に文を書いたとみられます。
すでに10日経っており敵は都を目指しているかもしれないという実資です。

■陣定

左大臣・顕光(宮川一朗太)は居眠りをしています。
代わりに公季(米村拓彰)が上卿を行います。
資平(篠田諒)、能信(秋元龍太朗)、通任(古舘佑太郎)はわからない。
頼宗(上村海成)、教通(姫子松柾)は討つべし。
行成は朝廷は武力を振るってはいけない、祈祷して邪気を払うのが良い。
公任(町田啓太)は大宰権帥が解決すべき。
俊賢(本田大輔)は様子を見るべき。
斉信(金田哲)は攻め入ってくるものは討つべし。
道綱(上地雄輔)はいつものように同じくです。
実資が遅れてやってくると、山陽道、山陰道、南海道、北陸道を固めるべき、都の武者だけでは足らないので各地の武者を集めるよう手配すべしと意見しました。
危機感がないためなのか、結論に至りませんでした。

●頼通
頼通は、様子見と判断しました。
道長に一大事に何を考えているのか責められます。
民が数多死んでいるそうだ、それで平気なのかと詰問されます。
自分は摂政だ、そのようなことを言われる筋合いはないと突っぱねました。
備えは固めてくれと道長は頭を下げて懇願しました。

●母子
倫子(黒木華)は頼通に父とぶつかったが常に正しいとは言えない、前例もなく父もよくわかっていないのだといいます。
上に立つものは誰もが苦しいもの、思ったとおりやれという倫子です。

■意気消沈のまひろ

隆家が意気消沈したまひろのところへやって来ました。
隆家は苦しくても悲しくても人生続いていく、仕方がないと吐露します。
周明といっしょに死んでおればよかったと、泣き出すまひろ、隆家はその場を離れました。
周明は、海岸で絶命していました。

■実資の報せ
対馬の先まで追っ払ったと報告されました。
実資は隆家が朝廷も武力を持たねばならないと言っていたことを納得しています。
道長は武力に頼る世になってはいかんといいます。
平将門の乱以降、朝廷は軍を持たなくなったが、80年が経ち異国の賊に襲われようとは思ってもいなかったとも。
実資は前例にこだわっていては政はできないと言って出ていきました。
道長は隆家に消息を知りたい人物がいるので文を書いてほしいといいますが、途中で止めました。

■隆家の褒賞

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「刀伊撃退の功労者である隆家たちの褒賞について、陣定が行われたのは2か月後の6月末。公卿たちは既に大宰府への興味を失っていた」
褒賞を与えるべしという意見に対し、行成が13日の戦は、朝廷に関わりないことだと言います。
公任も朝廷の命無き戦、放っておいていいと言います。
実資は重大な出来事、この先奮戦するものがいなくなると反論します。

●公任の憤慨
実資は道長に陣定の結果を報告します。
そこに公任がやって来ました。
公任は隆家は敵ではなかったのか、次の脅威となる隆家がこれ以上力をつけられないよう反対したといいます。
道長は公卿らのあり様は、あまりに緩みきっており呆れ果てたと考えていました。
そこに斉信がやって来ました。
斉信は何があっても道長の味方だと慰めました。
『和漢朗詠集』を読む公任は、行成の字の見事さを褒めます。
公任は口論になったことを悔やんでいました。

(感想)
有名な『和漢朗詠集』が出てきました。
公任が選んだ和歌や漢詩を集めたものです。

●隆家の気持ち
隆家は、朝廷から届いた文を読んで、心が落ち込んでいます。
しかし、戦った者たちを労い、お礼を述べました。
武者たちが国司となって戦えるよう朝廷に働き続けるという意思を見せました。
そして、平為賢(神尾佑)を肥前守に推挙しました。

●双寿丸の行く先
双寿丸(伊藤健太郎)は、為賢とともに肥前に行くことになったと報告します。
まひろは武功を立てることは人を殺めることではないのかと問います。
双寿丸は民を守るのが武者だ、と反論します。

(感想)
武士の時代が迫っています。
刀伊の入寇がキッ替えとなったことは確かでしょうが、その前の平将門の乱からの大きな流れであることは間違いないでしょう。
祈祷していても敵は攻めてくるものですから(笑)

●賢子
道長が賢子(南沙良)に、便りはもらったか聞きます。
文が来たと答える賢子、それを聞いて安心する道長でした。

■帰郷の決断

隆家は、まひろに一緒に京都に戻るか聞きます。
逡巡していると、乙丸(矢部太郎)は、ここにいてはならない、きぬに会いたい、帰りたいと叫んでいます。
まひろは、乙丸の悲痛な叫びにより、納得して帰ることになりました。

(感想)
乙丸、イイ味出しています。
生きていて良かった!

■帰還
まひろと乙丸を出迎える為時(岸谷五朗)と賢子、いと(信川清順)もきぬ(蔵下穂波)もいます。
まひろは双寿丸に会ったことを話しますが、賢子は、光る女君となって生きようかとため息をつきながら話します。
乙丸はきぬに、大宰府で買った土産の紅をプレゼントします。
賢子は物語を読んだとまひろに話します。
賢子は人とはなんだろうかと深く考えさせられたと思いました。

●彰子と面会
彰子と久しぶりの面会です。
旅でのことは気持ちがまとまらず話できないと断りました。
物語にしたら読ませてもらうといいますが、そんなことはないとも。
女房として仕えてくれと請われますが、賢子は若く相談役にはならないから、まひろに仕えてほしいのです。
道長とばったり対面します。
しかし、一言も話せませんでした。

■倫子とまひろ

倫子に会釈するまひろ。
倫子はまひろが初めてこの屋敷に来た日のことを思い出したと言います。
懐かしい想い出話をしますが、突然、道長との関係を問いかけられます。
「私が気づいていないとでも思っていた?」(倫子)

----終わり----

次回は 第48回「物語の先に」最終回12月15日放送です。

■感想

刀伊の入寇における朝廷の感覚が、顕光を使って滑稽に描かれました。
その危機を実資と道長だけが敏感に察していたというストーリーでした。
近いとはいえ、海に隔てられた地理的要因が日本を外敵の侵入を防いでいるというのはすごいことで奇跡的でもあります。
グローバル化は大事かもしれないけど、日本のオリジナリティも大事ですよね。
国際化は程々にしてほしいと願う今日このごろです。
国防は重要だということを考えさせられる刀伊の入寇でした。
そしてついに次回は最終回です。
オオトリはまひろではなく道長の最期なんでしょうか?
源氏物語とのシンクロと絡めてどうゆう手法で締めるのか、ちょっと気になります。
今日の回は1019年ですので、道長の没年まで残り9年です。
紫式部の生没年は不明です。
没年については、1014年説から1031年説まで、色々あるようです。


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