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目覚ましを止めて楽しむ温もりよチェーン付けたるバスの音聞こゆ 森田郁代 施設ではペ…
トマト苗まだまだ支えは要らないとうぶ毛の光る足でふんばる 藤代敏江 亡父(ちち)に似た翁…
大空に吸はれるやうな薄青き桐の花咲く旅立ちの朝 近藤秀子 二年(ふたとせ)をただ吾(…
「久し振り」と手を振る友のブラウスに春風吹きてふわりとふくらむ 楽満眞美 二歳児の頬はマ…
流行歌(はやりうた)街に溢れて誰も彼も口ずさみたり昭和の頃は 藤代敏江 薹(とう)立ちの畑…
茹で忘れ一本残りし青梗菜グラスに挿して食卓飾る 伊藤美枝子 凍てつ…
積ん読を崩して日日をこもりおり小さき活字に戸惑いながら 原葉 うっすらとピンクの肌を覗かして我を誘うは茗荷の天麩羅 伊藤美枝子 嬉しきは息子達にもコウノトリわが孫連れて初夏に来るらし 伊藤美枝子 大空の青を凝縮したごときただ一輪の犬ふぐり咲く 近藤秀子 冬の日差し程よく受けた寝室で陽の香に抱かれ眠る幸せ 大森久光 楽しみは水平線に湧く雲を君と眺めて泳ぎゆく時 大室やよい 新しき年に虎から威を借りて前だけ向いて進んで行きたし 岡まなみ 昔ほどに仕事のできぬ歯