2022年1月の選歌
積ん読を崩して日日をこもりおり小さき活字に戸惑いながら
原葉
うっすらとピンクの肌を覗かして我を誘うは茗荷の天麩羅
伊藤美枝子
嬉しきは息子達にもコウノトリわが孫連れて初夏に来るらし
伊藤美枝子
大空の青を凝縮したごときただ一輪の犬ふぐり咲く
近藤秀子
冬の日差し程よく受けた寝室で陽の香に抱かれ眠る幸せ
大森久光
楽しみは水平線に湧く雲を君と眺めて泳ぎゆく時
大室やよい
新しき年に虎から威を借りて前だけ向いて進んで行きたし
岡まなみ
昔ほどに仕事のできぬ歯痒さをどうにもできずに年は暮れたり
岡まなみ
楽しみは散歩を終へてコーヒーとトースト横に朝刊読むこと
山下ふみ子
コロナ禍の人影もなき梅園に蝋梅の花たわわに咲けり
近藤秀子
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