適応障害と診断されるまで⑥病気が治らない
※タイトルは不治の病ということではありません。
異変
退院後の通院で、分かったのは原因不明だったってことだった。
あの激痛の原因は、胃に穴が開いた原因は、「検査で分からなかった」と言われたようなものだった。
でも、原因が分からないけど、綺麗に完治していると聞いて、安心して出勤した。
出勤してから、仕事を始めた。仕事を始めて、30分程して仕事に集中できないくらいの気持ち悪さに襲われた。
どんどん増す痛みと吐き気。
何かがおかしい。
デスクを立って、お手洗いに行ったけど何もなく、打ち合わせの予定があったので打ち合わせに向かうものの、しんどくて足取りが重い。
結局、打ち合わせ中に耐えられなくなって、5分も経たない間に打ち合わせを中断してもらった。
帰宅後のことは、正直覚えていない。しんどかったような気もする。
翌日、かかりつけの病院を受診した。
原因は〇〇〇〇?!
かかりつけの病院の先生は、入院いていた病院の薬の弱い薬と吐き気止めと漢方薬を処方してくれた。
その薬を帰宅して、服用したら、不思議なことに違和感が落ち着いた。
調べてみたら、その漢方薬は、ストレスによる胃痛に効く薬だった。
周りからも「胃に穴が開いた」と伝えたとき、「ストレスやったんやね」と言われていた。否定も肯定もできなかった。
その薬を飲みながら、半日勤務を続けた。
1週間で2~3日ほど、発作のように今にも吐きそうな感覚に襲われた。そのたびに、吐き気止めを飲んだ。
効果はあったけど、このままこれを飲み続けて仕事をしないといけないのか、と思うと、不安で仕方がなかった。
もう働けない
職場で、職場の衛生担当をする人とも面談をさせられた。
状況を話して相談してほしい。と言われたけれど、圧迫面接のような雰囲気で、とても打ち明けやすい雰囲気ではなかった。(圧迫面接を受けたことないけど。)
何を話したのかあまり覚えていない。録音しておけばよかったと思うくらいの恐怖だった。
会社の人との面談もあった。「このまま半日勤務のまま、というわけにはいかない」と言われた。半日勤務を決めたのは、私ではないのに。
仕事はガムシャラにやるしかなかった。
ある男性社員が一緒に分業している仕事を、「自分がやるからはるさんの仕事に専念して」と声を掛けてきてくれた。泣きそうなくらい嬉しかった。
お礼しか言えなかった。
他の女性社員からは「どうしてできていないの?」と言われ続けていたこともあって、他の女性社員へ話しかける勇気は持てなくなっていた。
他の人の負荷は、通常の3倍ほどになっているのに違いなかった。例年より多い仕事量。なのに、人手は減っていて、さらに私は使い物にならない。
退院して1か月して、フルタイムに戻った。
口では、「一日元気で終えて定時で帰ること、これが仕事」と言われていたけれど、仕事量は相変わらず多くて。
入院前の私なら何も感じずに出来ていた仕事量を、何も感じずに終わらせることはできなくなっていた。
発作のような吐き気が起きて、夜眠れず、翌日休んだ。
そして、ようやく今の症状を精神科の先生に伝えようと決心した。
ちょうど発達障害の2回目の検査の予約の前日だった。
診断名:適応障害
今服用している薬と、症状を紙に書いて持って行った。
先生は、その場で診断書を書いた。
「さっさと言えばいいのに」そんな感じのことを言っていた。
診断書には、【適応障害】の文字と、休むことが必要な旨が書かれていた。
適応障害って聞くと、皇室が浮んだ。当時は理解できなかったけど、適応障害ってこれか。って体感した今、相当苦しいものなんだと思う。
弱いうつの薬と、頓服の精神安定の薬をもらって帰宅した。
次女からは「やっぱり」と言われた。
先に診断されているだけあって、症状が似ているって感じていたらしい。私が聞けていないだけで、何度か言ってくれていたらしい。
すぐにその診断書を使って休むという結論は出せなかった。
申し訳なさと、まだやれるという気持ちがあって、夜は出勤する用意までして寝た。
朝起きて、出勤したらこの診断書を見せることはできない。そんな気持ちに駆られて、私は電話で診断書のことを伝えた。
その後、何度か電話やメールでのやりとりがあった。
そのたびに発作的に吐き気に見舞われて、薬を服用した。
『診断書を出しても、会社とのやり取りは終わらせられないのか』
これが一番、しんどかった。私は会社とのやりとりを終わらせたかった。でも、終わらせ方が、その時の思考では見つけられなかった。
治らないわけじゃなかった
不思議なことに精神科で処方された薬を飲んでいる間、吐き気は収まっていった。思考がどんどん普通に戻っていくそんな感覚だった。
会社のことを考えれば、発作的にしんどくはなったけど、それさえなければ普通に過ごせるまでになっていた。
2週間分の薬がなくなった後も、会社のことさえなければ普通に過ごせるようになっていた。
治らないんじゃなくて、アプローチが適切でなかったのだと思い知らされた出来事だった。
病んでいたのは、内臓じゃなく、心。
心の反応が鈍くなっていたせいで、内臓に出てしまうことも、うつの症状にはあり得るらしい。と、そのあと調べて初めて知った。
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