2020年代は逆張り研修が鍵を握る
今日は、教育の話。子どもではなく、大人向けの教育です。みなさんは、職場などで研修を受けていますか?今、研修の形が根本から変わろうとしています。テクノロジーが発達している現在。変化の激しい時代において、これまでの研修のあり方では、不十分ではないか、という見方が強くなっている気がします。今日と明日は、2020年代の研修についてお話します!名付けて「逆張り研修論」。楽しんでください。
こんな人におすすめ
研修をつくる人
これから社会人になる人
研修を受けている人
マネジメントをしている人
この記事の結論
これまでの研修は、職場で通用する「職務遂行能力」を重視していた。これからは、どこでも通用する「経営能力」を重視していく時代に入る。いや、もう入っている。
求められていたのは、専門的な能力を持った人
ぼくは、研修をつくる立場にいます。
職場内の研修もありますし、外部でのセミナーを請け負うこともしばしば。
そもそも、研修って、何を目指しているんでしょう。
私たち学校の世界ではとくに、「即戦力」という言葉がもてはやされています。
明日から、すぐに授業ができる人。
ぼくが、就職をするときもこんな人材が求められていました。
企業でも似たようなことが起こっています。
明日から、お客様対応のできる人。
明日から、事務仕事のできる人。
かっこよく言うと、テクニカルスキル。
いわば、専門的な能力・職務遂行能力を持った人が求められてきました。
変化が激しい、正解がない、正解が一つとは限らない時代
今、ぼくたちの生きる時代は、変化がとても激しいです。
昨日最新だと思っていたひとが、もう古くなってしまう。
昨日驚いたことがありました。
5Gってありますよね。おそらく今年、来年は、5Gになって、動画が当たり前の時代となります。動画以外の表現方法もいくらでもでてきそうです。
でも、昨日、インフルエンサーのイケハヤさんが、6Gについて解説していました。
えっ!?って思いませんか。
まだ5Gすら、ぼくたちの生活には、なじみが薄いのに、もう次の時代の話をしているんです。
小学校業界では、来年度4月には大きな動きがあります。
学習指導要領が改定されるのです。
学習指導要領は、何を何年生で学ぶのか、何を目標としているのか。どのように学ぶのか。そんなことが書かれたものなのですが。
早い人は、もうこの次の学習指導要領をも見据えているでしょう。
これほどまでに変化のスピードの速い時代は、これまでになかったのです。
私たちは、そんな時代を生きていくのです。
私たちの学び方。
学びの場づくり。
これも、アップデートしていかなくてはならないよなぁって思うのです。
固定的知能観から拡張的知能観へのシフト
私たちは、長らく、即戦力を求めてきました。
そして、研修では、職務遂行能力を身につけるような研修をメインに行ってきてはいなかったでしょうか。
人の知能の見方には、2種類があると言われています。
①固定的知能観
私たちの能力は、変わらないという見方。
②拡張的知能観
私たちの能力は、成長するという見方。
私たちは、これまで固定的知能観に立った研修をデザインしていたのではないでしょうか。
研修をしなくては、社員は育たない。
研修さえすれば新たな力を授けられる。
そんなマインドがどこかにあったのではないでしょうか。
だから・・・
職場の環境を改善しなくてはと思ったら、コミュニケーションスキルの研修を企画します。
お客さんからクレームがくれば、接客スキルの研修をします。
教員の世界でも同じです。
学力が低下しているなぁと感じたら、授業力の向上を目指した研修が企画されてきました。
子どもたちの生活力が育っていないなぁと感じたら、生活指導力の向上を目指した研修が企画されてきました。
これからは、拡張的知能観に立った研修デザインも求められるでしょう。
拡張的知能観に立った研修デザインは、社員の力を信じることを前提としています。社員は、研修をしていないときでも学び続けている。成長を続けている。そんなデザインです。
私たちは、大量の情報をいつでも瞬時に手に入れることができます。
ホームページやSNSを見れば、様々な情報が飛び交っています。
イベント情報サイトpeatixを見れば、数えきれないほどセミナーが毎日のように行われています。
私たちは、機会を与えられなくても、自分たちで学ぶことができるようになりました。
一昔前は、情報を得る場といえば、図書館くらいだったかもしれません。
今となっては、誰もが容易に、自分で選び、自分で経験し、自分で学び、自分で能力を伸ばせる時代となったのです。
研修を受けてないときでも、自分を成長させる術をたくさん持っているのです。
どこにいっても通用するマインドとスキルが必要になった
2年前。
ぼくは、職場の新人研修をつくることになりました。
まず、何から手をつけようか。
そう考えたぼくは、Webで「新人研修」「初任者研修」を引きまくりました。
OJT(On the Job Training)とか。
コミュニケーションスキルが大事とか。
そんな内容が多かったのですが、一際、他とは全く異なる輝きを放っているサイト見つけました。
今となっては、そのサイトがどこにあったか分からなくなってしまいました。
けれど、そこにあった研修への考え方のインパクトを、今でも覚えています。
どこにいっても通用する力を身につける研修
衝撃じゃないですか?
どこへ行っても、誰に聞いても。
当時の研修は、いかに職場内で安定的に仕事ができるかが目指されていたのです。
それなのに、
どこでも通用する力
です。
よくよく読んでみると、こういうことだったんです。
これからは、終身雇用制の時代ではない。
一つの企業が、社員の面倒を生涯みるシステムはもう少ない。
本当に社員のことを思うのであれば、一つのところでしか通用しない力ではなくて、どこへ行っても通用する力が大切。
なるほど。2006年のアメリカの労働省は、
今日の若者は、38歳までに10〜14の仕事を経験するだろう。
と言っていました。つまり、転職は当たり前。もしかしたら、自分で起業することが当たり前と言われる時代も到来するかもしれないのです。
だから、どこでも通用するマインドやスキルが大切なのです。
「どこでも通用する」を実践している人もいる
この前、とあるイベントで出会った方。
研修づくりで大切にしていることは何ですか?うかがいました。
すると、同じように「どこでも通用する力」だと答えてくださいました。
少なくとも、このキーワードを使っている方は、それまで私の周りではあまりいませんでした。
しかし、同じように考えて行動されている方がすでにいらっしゃる。
意気投合しました。非常に感動しました。
どこでも通用するは人材の流出にはならないか
なりません。少なくともぼくは、そうはならない、なりにくいと考えています。むしろ、ここでしか通用しない抱えこみ研修は、人材の流出になるでしょう。
これこそ、逆張り研修論といわれる所以です。
人材の流出。
これは、本当に大変な問題です。
今は、どこも人手不足。
予算があっても、人は足りない。
そんな時代です。
日本はこれからますます人口が減少します。
とくに働ける年代の人口も少なくなります。
だから、一度確保した人材は、そう簡単には手放したくない。
優秀であればあるほど!
人の代わりがいない時代なんですね。
だからといって、専門的なことばかりを研修して、「ここ」でしか通用しない人材に育ててしまうとどうでしょうか。
私たちは、いつでもたくさんの情報を手に入れることができます。だからこそ、普段の研修から外の世界を見せておくことも重要なのです。
その上で、
自分の職場の魅力が他のところよりも魅力的なんだよって
思わせなくてはなりません。
職場に貢献したいと思う4つのP要素
社員が会社に貢献しようと思う意識を「エンゲージメント」と呼びます。
エンゲージメントと言えば「婚約」ですね。ここでは自分が職場にどれだけコミットしようと思うかを指します。
エンゲージメントを高めていくには、4つの要素があると言われています。
①Philosophy(哲学・理念)・・・組織の目指しているもの・存在意義
②People(人・風土)・・・どんな人と働けるか。どんな文化や環境の中で働けるか。
③Progress(成長)・・・この組織で仕事をすることで身につくスキル。この組織で仕事をすることで積めるキャリア。
④Privilege(待遇・地位)・・・給与、役職、労働時間など
参考:
人が組織に貢献したいと思う要素の中には「成長」があります。
人はより成長したいと思う生き物です。
他の3つの要素も大切です。今日は、その中でも「成長」の重要さを感じていただきたいです。
ここでしか通用しない力も、もちろん大切なのです。
しかし、どこでも通用する力って、とても大切だと思いませんか??
両者は二項対立ではありません。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけではありません。
職場によっても必要とされる研修は変わってきます。
けれど、より拡張的知能観の立場に立って、研修をデザインしてみると新しい視点が見えてくるのではないでしょうか。
今日の質問
どんな研修を受けたいですか?
ぼくは長らく、
どこでも通用する力ってなんだろう?と考えてきました。
次の記事では、そんなことも含めて情報を発信します。
お楽しみに!
今日も、貴重な時間を使って、記事を読んでくださってありがとうございました。ぜひ、明日の続きも読んでいただけたら嬉しいです!!
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