日比野は部屋の片隅で体育座りをしていた。大学はオンライン、バイトのシフトはだいぶ減らされた。 刺激が……刺激が足りなすぎるのだ。 意を決して立ち上がり、ある店の門を叩いた。 「激辛蒙古タンメンひとつ!」 「お客さん初心者でしょ?甘辛にしときな」 日比野のぬるさは見透かされていた。