中公文庫/マリオ・バルガス=リョサ/西村英一郎=訳『ドン・リゴベルトの手帖』 バルガス=リョサはエロを追求しても完璧な小説を書ける。対位法で喩えられる構造や異なる時間を交える文体は本作品でも生きている。アルフォンソとルクレシアの淫靡な関わり。リゴベルトの偏執的な空想。実に艶やか。