『うろ覚え』をうろ覚え、「うる覚え」と言い間違える。 自己参照に依り、首尾が噛み合う。 『うる覚えロス』と称しようか。 烏鷺のウロボロスが啀み合う。 「『うる覚え』は方言に過ぎない」と漆黒の潤み声が訴ふ。 ハレイションを搔い潜る鳥が精白に燦めいている。 麗しい烏に相違無い。