朝、床の中で目を覚ますと、しっとりした空気の中、雨の音が聞こえました。そのときの気持ちを詠みました。 妖気充つ 春の心をなぐさむる 花の雨こそ あはれなりけれ (不穏な気配に充ちた春の落ち着かない心を和らげてくれる、そんな桜の季節に降る雨こそは本当に趣深いものだ)
世の中に たえてさくらの なかりせば 春の心は のどけからまし 在原業平(古今和歌集巻第一春歌上53) この世の中に、桜がまったくなかったとしたら、春の季節の心は、もっとおだやかであると思うのですが。