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⛲「静的な時間」(対訳詩集より)🌆a static time🌃✨

歩くことは考えること

並ぶ灯りに

写真には理由があると嘯いても後追いになるのは否めない。 しかし撮ったその瞬間でなく後から何かに気づくのはよくある。 風景の観察は新たな目を通して重層化する。 写真は撮っただけでは終わらない。

絶妙な並び。 こういった偶然を見つけられるのもエフェメラル。 同じような風景がまた見られるわけではない。 写真があるから風景への感覚が鋭くなる。 風景への感覚が鋭敏だから写真が楽しくなる。

明るい空間。 「カメラ」の語源はまさに「明るい部屋」だが、単純に明るい場所より、暗い中で見える光が好きだ。 光と影の対比、あるいは移りゆく光。 動きを感じさせるとき、それはエフェメラルな美しさに心惹かれるとき。

電線は都市の密度。 美観などで悪く言われることも多いが、それこそが都市の風景。 錯綜が思索を呼び起こす。 電線とは才気煥発なニューロンか?

新しい時代というけれど

「場所」の変化の意味。 止まった時間と流れる時間、その感覚の間にある写真。 様々なできごとや感情、記憶は時間の奥へ埋もれていく。 そこに再び目を向けるための写真。 流されていくだけだった時間を意識に留まらせ、変化の意味を再考する。

「映え」とは何か。 カメラがあればとりあえず写真は撮れるが、「映える」風景は間断なく作り続けられる。 しかしそれらは瞬間的に消費され忘れられていく。 写真が簡単に撮れ簡単に発表できる限り「映え」という業から逃れられないだろう。 少しでも抗うにはとにかく撮り続けるしかない。

そこに答えがあるとは限らない。 表と裏を行き来する。 語りたいことがあるから風景を注意深く観察する。 今日はどこを歩こうか。 どこを選ぶかで一日が変わるかもしれない。 そこに意味を見つけられない。 通りすぎていくものをただ見送るだけでは。