サドンストーリー

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「つぶやき小説・人間万事」ある人からイベントに誘われた。しかしその人から場所と日時の案内が来ない。不愉快だ。しかし次の日その人からイベントが延期になり来月になったとの連絡がきた。ああそれならしょうがないと思った。疑ったお詫びに彼に何かを差し出さなければ。私が差し出したのは私の(終

つぶやき小説「プロットの墓場」6 「彼らは、死後完成させた本を、できれば現実の本という形で出版して欲しいんだ。私がずっとそうしてきたようにね」「えっ?」 彼は自分のアイデアで作家となったのではないのか。ふと気づくと私は店の外にいた。さっきまで古本屋だった店は廃墟となっていた(終

つぶやき小説「プロットの墓場」5 芥川の幽霊は私のすぐ近くの棚に歩み寄って一冊の本を手にとって開いた。彼が指先でページをなぞると、文字が追加されたり書き換わったりしていく。友人が言った。「ここでは、ペンはいらないんだ。便利だろ?」 私は尋ねた。「それで、君はなぜ私をここに?」(続

つぶやき小説「プロットの墓場」4 「それはね、ここには浮かばれないプロットに未練を残して亡くなった作家達が集まり、今でも加筆しているからだよ。ほら、ちょうど一人」 黒い着物を着た長髪の男が扉を開けた。店主が「芥川さんいらっしゃい」と言った。そう、それは芥川龍之介の幽霊だった。(続

つぶやき小説「プロットの墓場」3 私はある本の背表紙を見て叫んだ。「こ、これは!」 それはある大作家が完成前に亡くなった「幻の小説」だった。私は震える手でそれを取り、暗い灯りの下でそれを読んだ。「そうかこういう結末だったのか! でもなぜ完成品がここに?」 友人がニヤリと笑った(続

つぶやき小説「プロットの墓場」・2 化け物は言った「いらっしゃい」、友人が言った「待ってたよ、この店がプロットの墓場だ。多くの作家が亡くなるまでに作品に出来なかった、浮かばれないプロットがここには流れ着く。さあ、手に取ってみたまえ」 私は大量の本が置かれた狭い店内を見まわした(続

つぶやき小説「プロットの墓場」小説家の友人が危篤とのことで駆けつけた。彼は言った「この世にプロットの墓場というのがある。そこに君を招待しよう」。直後に彼は亡くなった。帰宅中のアーケードで、見慣れない古本屋を見つけた私が立ち寄ると、暗い店の奥に店主と思われる化け物と、友人がいた(続