「はだかのゆめ」覚え書き2。終盤、駅から遠ざかる車窓のさまを電車内から映すカットは4年前に現代地方譚6で錦湯にてみた「すいっち」のシーンを想起した。JRに乗って県内のどこかへよく出掛けていたあの頃の帰路、須崎はもちろん、後ろ髪引かれるような気持ちで車窓からホームをいつも見ていた。
「はだかのゆめ」覚え書き。前野健太演じる役の台詞にあった「おやじ」の発音が、高知のおじいちゃんおばあちゃんが言う土佐弁の「おやじ」そのままで、一昨年亡くなった祖父を思い出した。生者と死者のささやき合い。思い出そうと幾度となく照らすこと。その光の筋の中にだけふっと現れる死者の輪郭。