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#テネシー・ウィリアムズ
沢尻エリカのブランチを観た。その日、彼女は、新国立劇場の祭司となった。
テネシー・ウィリアムズ作 鄭義信演出の『欲望という名の電車』を観た。新国立劇場中劇場が、完全に満席な状態で、満員御礼だった。
数は力であるという考えに、従えば、この沢尻エリカ復帰プロジェクトは、ビジネスとして圧倒的な成功を収めたことになる。
あらためて、思ったのは、テネシー・ウィリアムズの戯曲の強さである。どれほど、恣意的な改変を行っても、構造は揺るがない。むしろ、その改変が思いつきに見え
【劇評302】パワフルで大胆な群衆劇として松本祐子演出の『地獄のオルフェイス』が黄泉の国から甦った。
生きることに貪欲がゆえに、地獄から抜け出せぬ人間を観た。
テネシー・ウィリアムズ作、広田敦郎訳の『地獄のオルフェウス』(文学座アトリエ)は、松本祐子の演出を得て、パワフルで、破壊的で、しかも狂気にあふれた劇に生まれかわった。
文学座アトリエの上演史のなかでも、歴史に刻まれるだろう。それだけの力に満ちあふれている。
これまでの上演とは、大きく変わった解釈・演出が五つある。
まず、功成り
【劇評276】ホーヴェ演出、イザベル・ユペール主演の『ガラスの動物園』の舞台を読み解く。国境を問わず、多くの人々が圧殺されている閉塞感。六枚半。
『ガラスの動物園』の常識を打ち破る舞台だった。
コロナウィルスの脅威のために、二〇二〇年、二〇二一年と延期になってきたテネシー・ウィリアムズ作 イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出の舞台を、新国立劇場の中劇場で観ることができた。
冒頭、エプロンステージにいるトム(アントワーヌ・レナール)は、最前列の観客の手を借りて、スカーフを使ったマジックを見せる。のちに重要な鍵となるマルヴォーリオの棺桶を使っ