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長谷部浩の俳優論。

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歌舞伎は、その成り立ちからして俳優論に傾きますが、これからは現代演劇でも、演出論や戯曲論にくわえて、俳優についても語ってみようと思っています。
劇作家よりも演出家よりも、俳優に興味のある方へ。
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2023年11月の記事一覧

【劇評320】人間の根源的な欲望をいかにみせるか。森田剛、三浦透子の『ロスメルスホルム』。

【劇評320】人間の根源的な欲望をいかにみせるか。森田剛、三浦透子の『ロスメルスホルム』。

 イプセンは、言葉による決闘を見るものだとよくわかった。

 『ロスメルスホルム』(ヘンリック・イプセン作 ダンカン・マクミラン脚色 渡辺千鶴翻訳 栗山民也演出)は、暗く陰鬱な館の場面からはじまる。

 ヨハネス・ロスメル(森田剛)は、地域を支配してきた名家ロスメルの末裔である。
 下手側にしつらえられた壁一杯に、男系の一族の肖像画がところせましと飾られている。彼は、名門の生まれという特権とともに

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