まめまめしく
みなさま、豆はお好きですか?
スーパーへ買い物に行ったある日の事。カゴへひょいひょいっと商品を入れてふと見ると、そこには『豆乳、納豆、豆腐、きなこ、蒸し大豆』が仲良く並んでいるではないですか。どんだけ大豆加工食品が好きなのか。お豆の国の人なのか。と、自らにツッコミ入れるくらい、わたくし豆好きです。
食べるのはもちろんですが、その姿もまた愛らしいと思うのです。今回ご紹介するのは、そんなキュートな豆たちが並んだ木版画「まめまめしく」
「日本の豆ハンドブック」(文一総合出版)を眺めながら、題材にする豆たちを選抜。なじみ深い豆がほとんどですが、虎豆とパンダ豆は模様の面白さで選びました。パンダ豆なんていう豆があったとは!
そうですか。そんなに豆が好きですか。では、この木版画も豆好きが高じて作ってしまったとか…?と、思いきやそれだけではないのです。
架空書専門 三等堂書店
豆の話からいきなり、書店の話に。この書店は「架空書」という実在しない本を扱う書店で、友人の絵描きNADO.ちゃんと2人で考えた展示企画なのです。店名はそれぞれの作家名「晴三」と「NADO.」からとって「三等堂(さんとうどう)」
そして、その架空書のうち一冊が…この「豆本」なのです。この表紙のための木版画でした。
“豆本”だけど文庫サイズ。著者も出版社も架空です。
中身はメモ帳!
枝豆と落花生のしおりつき。
面白い試みが心の栄養になる
本の表紙(架空書ですが)としての木版画制作、というのも面白い体験。「豆本」以外はアクリル絵の具で絵を描いたのですが、それもまた普段やらない事でしたし、お互いどんなストーリーを想定して、どんな表紙絵を描いてくるのか?お客さんには受け入れてもらえるのか?ワクワク・ドキドキ・ドキドキ(※ドキドキ多め)
結果としてはいろんな方に面白がっていただけて、なかなかの手応えでした。一人では成し得なかったなぁ…と、友人の提案に感謝です。
とはいえ、この年(2019年)に作った木版画はこれ一作きり。版画作家を自称する身としてあるまじき事態ではござらんか!なんてこった!
その反動で2020年は木版画をモリモリ作る事になるのですが、その紹介はまた後の機会にいたしましょう。