さてさて。6月から始めました木版画紹介も、いよいよ最終回。最後は、今年5月の個展用に作成した「常滑3部作・2021」をご紹介させていただきます。 以前ご紹介した「常滑3部作・2018」と同じく、海辺にあるやきものの町・常滑の風景にそっと猫をそえたシリーズ。猫を描くのにちょっと自信がついて調子に乗っていたので、前作よりも猫の存在感が強めです。 港の見回り時分になると釣り人で賑わう港。あわよくば、お魚など落としてくれてはおるまいか?と、見回りをする黒猫隊長。中部国際空港から飛
きっかけは、とある珈琲店のマスターから「ウチで展示会しませんか」とお声かけいただいたこと。お店の近くで開催されたクラフトフェアで、偶然目についた私の版画を気に入って下さったようです。一度お店にうかがい、打合わせという名の雑談をかわし、帰路についた運転中に思い浮かんだのが…「珈琲→豆→鬼」という連想。 さて、ここから始まりますのは「晴三妄想劇場」 珈琲は好きだけど、豆は苦手な青鬼。そんなマスターが経営する珈琲店に集まったスタッフとは…? 生豆を選別する小豆洗い珈琲豆を焙煎す
このタイトルを見て、ピンクなレディーたちが歌って踊ってる姿を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回指名手配されるのは、あんちくしょうではなく「ワルい猫」たち。ワルさのかぎりを尽くす悪党どもをご紹介します。 お魚くわえて…WANTED!猫がするワルさの代表と言えば、お魚ドロボウ。国民的アニメの主題歌でも歌われています。しかし、実際に見たことはありません。飼い猫がネズミやらスズメやら虫やら、捕まえたものを見せにくる…なんて話は聞きますが。ドロボウ猫、見たことある
「晴三、仏へ行くってよ。」 ホトケではありません、フランスです。今回ご紹介する木版画は2016年にパリのギャラリーで行われたグループ展に出品したもの。海外で展示するならば日本っぽいものを…という単純な考えから、なぜか「お江戸で働くどうぶつたち」というテーマにたどり着きました。勤めるお仕事は、警察・救急・消防。どうぶつたちの働きっぷりを、どうぶつ型のビスケットでもつまみながらご覧下さいませ。 しばいぬ同心御用だ!御用だ!ワンワンワワン!! その嗅覚と脚力からは逃れられない、ま
生きものたちが交通ルールを体現するシリーズ後編。2ヶ月表記のカレンダーの絵柄として作成した木版画、下半期の3枚をご紹介します。 横断歩道をワタリガニ本領を…発揮してしまいました。 ダジャレ的な意味で。 構図もガザミの色味も「いい感じ!」と、お気に入りの一枚。シリーズ6枚のなかで一番色数が少ないのに、一番版木の枚数が多くなってしまった…横断歩道の部分もちゃんと白い絵の具が乗っています。 一時停止するハシビロコウなぜ交通安全がテーマなのか?きっかけは、動かないことで知られる
車の免許があっても無くても、老若男女、守ってあんしん交通ルール。今回ご紹介する版画のテーマは“交通安全”。2021年・晴三オリジナルカレンダーの絵柄です。全国で50人くらいの方がこのカレンダーお持ちのはず。6種のいきものたちが交通ルールを体現しています。 徐行するホルスタインまずは今年の干支である牛さん登場。そのゆっくりな歩みは、たとえ「徐行」の標識が無くともかわりません。 最初うっかり尾っぽの先を黒くしてしまって…あとでコッソリ直しました。模様のある生きものは、色の入り
“ウミネコ”ちがい …なんてことがあったかどうかは分かりませんが、ネコが海辺で寝そべって「ウミネコ」って言いたかっただけです。 ウミネコっていう鳥がいるんですね〜なんて言いっこなしですよ? 3匹3様「ウミネコ」だけで満足だったのですが、展示させてもらったお店に看板ネコが3匹居りましたので、ここは得意の3部作を発動!海ときたら…お次は山かな? ここで本当にヤマネコなど描いてしまうと、「ウミネコ」のくだらなさが台無しになってしまうので、切り株でお昼寝するブチネコを「ヤマネ
出展者も来場者も「いきもの大好き!」というイベントがあります。 その名も「いきもにあ」 昨年は「いえもにあ」と名前を変えてオンラインで開催されました。その時に「“いえ”にまつわる生きもの」で作品を(できたら)つくってね、という企画のお知らせがありましたので、晴三は考えます。 さて、どうするかな…坐禅を組んで、坊主頭を指でくるくる、ポクポクポク…チーン!なにやら思い浮かんだようです。 軒先の下宿人我が家の軒先に、いつの間にやら家族で住み着いていました。器用にせっせと自分
愛知県にはニョキッと突き出した2つの半島がありまして、西側の知多半島なかほどに位置するのが古くから窯業で栄えた町「常滑(とこなめ)」です。「常滑、家賃安いよ」のひと言で移住してから13年になりました。 せっかく歴史あるやきものの町に引っ越して来たというのに、ほとんど県外のクラフトフェアなどで活動していた晴三。そろそろ常滑を題材にした何かを作りたい…と思い立ったのが移住10年目。縁あって、地元のお店で展示会させていただける事になりました。日程と会場をおさえてしまえば、あとは作
みなさま、豆はお好きですか?スーパーへ買い物に行ったある日の事。カゴへひょいひょいっと商品を入れてふと見ると、そこには『豆乳、納豆、豆腐、きなこ、蒸し大豆』が仲良く並んでいるではないですか。どんだけ大豆加工食品が好きなのか。お豆の国の人なのか。と、自らにツッコミ入れるくらい、わたくし豆好きです。 食べるのはもちろんですが、その姿もまた愛らしいと思うのです。今回ご紹介するのは、そんなキュートな豆たちが並んだ木版画「まめまめしく」 「日本の豆ハンドブック」(文一総合出版)を眺
今週の木版画紹介は、砂時計を題材にした3部作。砂時計専門店サブリエ・ド・ヴェリエさんで作品展させていただいた時に作ったものです。 反転Ⅰ砂時計…すなどけい…ひっくり返す…どうやって…?という連想の結果生まれたのがコチラ。裏表白黒のコマをひっくり返して取り合う、有名なボードゲームがモチーフになっております。 砂時計を支える丸い板が、ちゃんと白黒なのですよ。 実物も作りました。 反転Ⅱなんでも3部作にしたがる晴三。お次はどんなひっくり返し方にしようかな…?と考えたあげく、
版画にせよ、てぬぐいにせよ、ちょいとシャレの効いた絵柄が持ち味の晴三ですが、今回はそんなわたくしの天敵の話から始まります。 天敵あらわるあれは紅葉で有名な某観光地で出店していた時のこと。アベックとおぼしき若い男女がわたくしのてぬぐいを見てくれています。 さてさて、まずはウチの切り込み隊長「めじろおし」でご挨拶いたしましょうかね… 「めじろが満員電車でめじろ押しになってるんですよ」 そうお声掛けしたらば、女性の方は「おもしろーい」と笑って下さいました。ところがどっこい、男
木版画紹介も4回目になりました。 今回は、カバンに入れて持ち運べる! スマホケースにだってはいっちゃう! ミニ版画をご紹介します。 ホシガラス最初に作ったミニ版画のテーマは「黒いいきもの」 黒と言えば、真っ先にカラスが思い浮かびます。 「ホシ」と「カラス」で「ホシガラス」 ホシガラスと言う鳥がいるんですよ。 この版画はシャレもさることながら、 体が真っ黒なハシボソガラスが 星のような斑点があるホシガラスに憧れを寄せる というセンチメンタルな絵柄でもあるのです。 真っ黒い
木版画を作るのに少し慣れてきた頃、 ダジャレることに少し疲れてきた頃。 お部屋に飾って調和がとれる、 シンプルでシックなものが作りたい。 そう思って作ったのがこちらの2作です。 『コウモリカズラ』シンプルでシックに!と 要素を盛り込んだり、色数増やすのを我慢しつつ 2色刷りで作った「コウモリカズラ」 「余白の美…」と唱えながら下書きしました。 葉っぱをバランスよく配置する事が、 スキーしてる猿を描くより難しいのです。 よく見ると葉っぱが1枚だけコウモリになっています。
「鵜のつく名前」の翌年に作った「動物の名がつく植物(菌類)」シリーズ。 いきなり大きさも色数も増えて、技術は無いのに意気込みだけはある 当時の無謀さがうかがえます。 『ネコヤナギ』 白くてフサフサした花穂が猫のしっぽを連想させることから この名がついたと言う「ネコヤナギ」 <どちらもフサフサ> 縁側でのびをする猫のしっぽの先が ネコヤナギの枝に重なるように構図を考えました。 あまりひねりはありませんが、人気の1枚です。 『スズメノテッポウ』 細い筒状の花序を鉄砲に
はじめてアートイベント出店した時に 作ったものは消しゴムハンコでした。 木版画を作り始めたのはそれから6年後。 最初は1枚の版を刷るのが精一杯で 筆で色をつけたりしておりましたが、 はじめて多色刷りで作った木版画が 「鵜のつく名前」シリーズです。 <木版画・鵜のつく名前> Q:なぜ“う”のつく名前なのか? A:作者の名字が「ごとう」だからです。 判じ絵という、絵から言葉を連想する遊びがありまして それを自分の名字でやってみようと思ったのですね。 そのうちに鵜が碁を打