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【映画】独身女性の永遠の味方『ブリジットジョーンズの日記/シャロン・マグワイア監督』

年末になると、なぜかこの映画を観たくなってどうしようもなくなる独身女性は私だけだろうか。

2001年、2004年、2016年に3部作公開された大ヒットコメディ映画で、もちろん全部のシリーズ観ているけれど、いつだって年末にリピートしてしまうのは、2001年に公開された初回verだ。

学生から社会人になって、20代、仕事、キャリア、同棲、結婚、出産、さまざまなライフステージの変化を周りで目の当たりにしていたら、あっというまに30歳になっていた。そして今もなお、私は独身だ。

独身女性歴をそれなりに重ねる過程で、やっぱりいろんなことを悩んで、それなりにしんどくて、映画やドラマにたくさんお世話になってきたけれど、私的に、独身女性におすすめの映画、ダントツのナンバーワンがこの映画だと思っている。

たしかこの映画をはじめてみたのは、高校生の頃。面白いコメディとして観ていたことをよく覚えていて、けれどその当時は

「自分自身は、きっとこうはならない」

どこか他人事として考えていた節があった。
けれど、いつのまにか、私も30歳。主人公ブリジットと2歳しか変わらない年齢になっている。時の流れとは早くて怖い。

例にも漏れず、30歳を迎えた今年も年末にこの映画を観てしまって、今年はなんだか、あのシーンの、あのブリジットの言葉が妙に印象に残ってしまった。

「ほんと、今ってどうしてこんなに30代の独身女性が多いの、ブリジット?」
「さぁ、なんでかな。きっとあれね。私たち脱いだら、人魚みたいに身体がウロコに覆われてたりするから」

映画セリフより引用

夫婦やカップルしかいない食事会で、まるで独身であることを見下されるかのように嫌味にブリジットに投げかけられたこの質問。ブリジットの返答にあきれ、誰もそれ以上話題を深堀りすることなくパーティーは終わっていく。

このシーンのブリジットの返答って、もはやこうするしか、こうした方が一番ベターなのではないかと、今まであまり気にしたことはなかったけれど、そんなことを思った。

30代で独身でいる理由なんて、正直特にない。

特にないというより、いろんな要因はあったような気がするけれど、多様で複雑だし、理解してもらえるように伝えることなんてきっとできないし、普通に、できれば深掘りしてほしくなんてなくて、お願いだからほっといてほしい。

周りが、幸せの最上級は、結婚と出産だと考えている人たちを目の前にすればするほど、なおさら、ほっといてほしくなる。

そう思えば、これ以上深掘りされることのない、的外れの返答をしたブリジットの一言って、言い得て妙で、今度からそう聞かれたときはこの返答を使おうと思った。

もちろん、だいぶ最近では、そういった嫌味な質問を投げかけられることも減りはしたけれど、ゼロじゃない。し、なんだかんだ言って、独身女性が歳を重ねれば重ねるほど、世間の視線は冷たかったりするのではないかと感じることもある。

ちょうど、映画が公開された2001年、日本では、ガラケーが発売されてちょうどブームの時期だったらしい。私はその頃、小学生で、この2000年代、たしかに周りもみんなガラケーを持っている時代だったことを思い出す。

それが、わずか20年経っただけにも関わらず、ガラケー(3G)の時代がもうまもなく終了すると言われている。頑固にガラケーを使い続けていたとある友人も今年の4月をもって、スマホに切り変えていた。

ガラケーの時代とともに、もう、この独身女性への嫌味、差別の時代も終わってゆくのだろうか。多様性の時代。今は変革のときのような気がしている。

できることなら、この映画を、そういえばそんな時代もあったねと、当事者としてではなく、一歴史のように懐かしく振り返る時代がくることを切に願うばかりである。

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