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【チェンマイ旅日記】オンタイマッサージスクール(Ong's Thai Massage School)
書きたいことが多すぎて、本題を書くまでにいささか時間がかかってしまった。
そう。私はチェンマイに、マッサージを学びにきていたのである。
今日は私が通ったマッサージスクールについて綴っておこうと思う。
結論から言うと、近いうちにお金を貯めて、また学びにきたい。そう思える素敵な学校だった。
もし、このスクールを検討している人がいるとするなら、ぜひとも行ってほしい!そう思ってこの記事を書いている。
私が実際に通ったスクールはこちら。
私が実際に受講したのは、タイ古式マッサージ(Basic)と(Pro)のコース合計10日間のコースだ。
2つ合わせて合計9000バーツ(日本円で約4万円ほど)。
他のスクールと比べてもかなり安い値段だったので、本当に大丈夫かといささか不安視していたが、受講してみると、本当にこの値段で大丈夫なのかと心配になるほどにとても丁寧で手厚いレッスンで感動した。
充実したレッスン
スクール初日。まずコースがはじまる前に手渡されたテキストに感動した。
きちんとファイリングしてあり、かついい紙質で、カラーコピーで、いかにもザ・テキストという感じの冊子が手渡されて一安心。
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感動したのは、それぞれの施術の手順の写真が1枚1枚とてもわかりやすいように拡大で貼られており、その横には十分すぎると言っていいほどのメモ欄が、、。もはやこのテキストをもらえただけでも受ける価値があるといっても過言ではなかった。
そして、それぞれのコースがはじまる。私と一緒に行った相棒と、アメリカから来た紳士的な男性が同じコースを受講するとのことで、先生が1人ついてくれた。もちろんスクールの受け入れ状況にもよるが、生徒が多くて4人か3人に1人、基本は2人に1人くらい、運がいいときはマンツーマンで指導をしてくれる。この少人数体制で、先生がしっかりと見てくれるところもありがたかった。日本だったらこの価格でこの指導体制はありえない。
日本語での対応を希望していたけれど、一緒にクラスメイトになったアメリカ人もいたので、ほとんどが英語で進められた。
そこには最初かなり戸惑ったけれど、実際に身体を使って教えるので、そこまで難しいわけではない。ある程度私たちが英語を理解できると先生たちもわかったのか、むしろ、英語で伝えた方が伝えやすいというのもあったらしく、ほぼほぼ英語での授業だった。もちろん、わからないときは、日本語で対応してくれるのでたいして問題はなかった。
私が受講したbasicとproのコースは5日間かけて、約100くらいある手順を1つ1つ教わっていく。
1~3日目くらいにかけて、手順を説明しながら、実際にやってみてを繰り返して、すべての手順を学び終える。
4日目は、最初の手順から通しで練習だ。
先生たちは、個人個人の進捗具合に合わせて、練習ペアを調整したり、要所要所で指導してくれるので、無理なスピードで進んだという感覚は一度もなかった。
そして最終日の午前中は最終練習をして、午後に実際に先生を施術するテストがある。テストと言われて緊張はしたけれど、先生たちも優しくフォローしながら進めてくれるので、至って穏やかな雰囲気だ。テキストを実際に確認しながら施術してもよいので、自分のペースで進められる。それに、施術後は、先生が個別で、直した方が良い点や、良かった点をしっかりフィードバックして点数をつけくれるので、普通にうれしい。
そして、無事テストが終われば、立派なディプロマを発行してもらえる。
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そのスクールに通うまでは、失礼ながら半分お遊び感覚くらいでいたのだけれど
実際に施術を学ぶことはとても楽しかったし
先生たちも学ぶ姿勢に寄り添って熱心に指導してくださるので
終わってみれば、全然遊び感覚じゃなくて、「あぁ、めっちゃ勉強した!いい学びになったなぁ!」という学生に戻った頃のような達成感で心が満たされた。
臨機応変な相談にも乗ってくれるよ
コースの内容が非常に良すぎて、勉強意欲をかきたてられた私。
チェンマイ滞在に1日予備日があったので、先生に相談して、そこにパカマー(布を使ってマッサージを行う施術)の1dayコースを追加させてもらった。
急遽だったので大丈夫か不安だったが、2つ返事でオッケーしてくれたのでうれしかった。
よくよく聞くと、私と同じタイミングで通っていた他の生徒さんたちも、かなり相談をしていることがわかった。
自分の進捗度合いに合わせて、コースを追加したり、変更したり、もちろん、すべてに対応するというまではいかないかもしれないけれど、あらかた、親身に相談に乗ってもらえて、個々人の都合に合わせてくれる。
そういう臨機応変な対応をしてくれるところもこのスクールの大きな魅力だと私は思っている。
欠かせないルーシーダットンとオンナモ
そしてさらに私がこのスクールを選んでよかったなと思っている点がこのスクールがはじまる朝に欠かさず行われる、ルーシーダットンとオンナモの時間である。
ここで、スクールの時間割を少し先に記載しておく。
【1日の時間割】
8:30~ ルーシーダットン&オンナモ
9:00~ 各コースに分かれてレッスン
11:30~ 昼食
13:00~ 午後のレッスン
16:00 授業終了(進捗度合いによって居残りレッスン)
だいたいこのスケジュールでスクールの1日が進むのだが、ここに書いている8:30からのルーシーダットン&オンナモは自由参加である。
ルーシーダットンというのは、いわゆる、ヨガである。
実際に施術をする前に、自分自身を整える時間として、たっぷり約20分かけて、呼吸を整え、身体全体をストレッチする。ゆったりと自分の身体と心と向き合うことができるので、私にとってはちょっとした瞑想の時間にもなった。
そして、呼吸を整えたところで、次はオンナモだ。
事前知識として、それは、実際に施術をする前のお祈りのようなものだと聞いていて、日本でタイ古式を行っているサロンでは、ほぼ簡略化されていることが多いことは知っていた。
なので、私にとってははじめてのオンナモだった。
その時間は、レッスンの準備をしていた先生たち全員も集まって、神様の前で手を合わせる。そして目を閉じて、みんなで歌(お経のようなもの)を歌う。
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全ての意味を理解したわけではないけれど、私は最後の部分が好きだ。
ナーア、ナーワ、ローカ、パヤティ、ヴィナサンティ
意味は「私たちが手を触れたすべての人々に幸せが訪れ、その人々の痛みや病気が彼らから去ることを祈る。」というもの。
そうやって、クライアントに、そして自分にとってもよりよい施術をするためにマインドセットする。
そしてオンナモ後に、先生が、今日のひと話を必ず入れてくれて
「さぁ、今日も笑顔でレッスンを頑張りましょう!」
と声をかけてもらったら、不思議と、慣れない地での生活でだるかった朝にやる気が満ち溢れてくるだからすごい。
私たちは初日に、このルーシーダットン&オンナモを経験して、この時間に一番意味があると感じて、毎朝参加した。
帰るころにはオンナモの長い言葉もすべて覚えてしまった。
もちろん本当に自由参加なので、来ている人が少ない日もある。
けれど、セラピストとして働いてきた私たちにとって、この時間は毎日しっかり参加して胸に刻んでおこうとお互いに思った。
なぜなら、そもそもこのタイ古式の施術とは、施術する側に心と身体のゆとりと、本当に目の前にいる誰かを癒したいという想いがあってはじめて成立するものであって、それにこのルーシーダットン&オンナモは欠かせないとそう思ったから。
セラピスト職を経験したことがある人ならきっと感じたことがあると思うが、やはり、どんなに人を癒したいと思っていたとしても、日々、利益のために何人も施術をして忙しく働いていたら、人を癒すどころか、自分自身にいっぱいいっぱいで、とにかく施術をこなす。みたいな単純作業になってしまったことって、あるのではないかと思う。
そうはなりたくないと私も思って頑張っていたけれど、人に触れて、それなりに体力を使う仕事である以上、そんなに毎日ベストな状態を保つことは難しい。だからこそ、その本来の意味を日本に戻っても忘れないために、私たちは毎朝、自分を整える時間と、施術を行う心構えを心に刻んだ。
十分すぎるランチタイム
スクールに通う前に、不安だったのが、昼ごはんを毎日どうするか。
というものだった。あったとしても1時間くらいだろうし「毎日セブンで買っていく?けど、毎日コンビニもねぇ。」なんて不安そうに話していたのだけれど
スクールに通いはじめて、その不安は一気に吹き飛んだ。
なぜなら、上記の時間割にも書いた通り、ランチタイムが1時間半(11:30~13:00)設けられているからだ。
スクールの近くには、飲食店がたくさんあり、行く場所にも困らないし、時間も気にしなくていい。私たちも毎日さまざまな飲食店を訪れた。
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どのお店を選んでも、ハズレがない。おいしい。ちなみに、お腹の調子が悪いときも、近くにセブンがあって、買ってスクールで食べることもできるのでその点もとてもいいなと思った。
日本で働いていると一般的に、設けられているランチタイムの時間は1時間。ランチを外に出ようものなら、時間はギリギリになるし、「ちゃんと休憩した!」みたいな感覚もないことが多かったが、たった30分、その30分余分にあるだけで、午後のレッスンに向けてきちんと充電する時間も設けられて(カフェに寄ってドリンクタイムを設けたり、おしゃべりしたり、人によってはお昼寝したり、、、etc)心構えができるので、素晴らしかった。
日本も30分延長すればいいのに。そんなことを思った。
結局あまりしっかり休憩できないまま、午後の仕事の生産性が下がるくらいなら、その30分休憩時間に充てれば、逆に生産性は上がるのでは?なんて思いながらランチタイムを楽しんだ。
スクールに通う理由はさまざま
私はこのスクールを訪れる前、このスクール自体が、日本語対応をしている学校であったこともあり、通っている人はほぼ日本人でかつ、みんなセラピストをしているんだろうなという勝手なイメージがあったのだけれど、通いはじめてみて、そのイメージは一気に崩れた。
もちろん、訪れる時期によって多少の違いはあるのかもしれないけれど、日本人半々、その他多国籍でさまざまな国の人半々、というかんじで思っていたよりも、日本人以外の国籍の人も多いなと感じた。
アメリカ、イギリス、台湾、コロンビア、ウクライナ、サウジアラビア、、一番遠い国からでブラジル、、、etc。
まさか、こんなにたくさんの国の人に出会えるとは思っていなかったので、もう少し英語を勉強しておけばよかったなと後悔。けれど、みんな親切で、拙い英語ではあったけれど、いろんな国の人といろんな話をした。
そして気づいたことは、スクールに来ている理由も人によってさまざまだということ。
もちろん、私たちと同じように、セラピストという仕事をしていて、自分のスキルアップのためにスクールに来ている人もいたけれど、むしろそういう人の方がマイノリティだった。
マッサージが好きで、自分も身近な人を癒せるようになりたいと思って学びに来る人
旅行で訪れたタイの地で、タイ古式マッサージの施術を受け、感動し、いい経験になると思って、滞在期間のほとんどをスクールに通う時間にあてているバックパッカーの人もいた。
インドのアーユルヴェーダ、ヨガにルーツのあるタイ古式マッサージ。
インドに行ったら自然にここに辿り着いていたと、インドにルーツのある人も複数人いて驚いた。
そして、国に帰ったら、自分でプライベートビジネスにすることを志す人も結構いた。
あとは、タイ古式の他のスクールに行って、さらに学びを深めようとする人も。
さまざまな人たちの背景に触れて、思ったことは
あぁ、なんて狭い範囲でしか物事を考えていなかったんだろう。
あぁ、なんて私は生きることをこんなに焦っていたんだろう。
ということ。
約2か月前、急遽会社の都合で無職になって、けれどセラピストの仕事は好きで、続けたいから、このスクールに通いたいと思って、そうやってお金を使ったからには、時間を使ったからには、しっかりと学べること全部吸収して、またセラピストとして頑張らなきゃ、仕事探さなきゃ。なんていつのまにか、自分の選択肢を狭めてて。
なんだかそんな自分がちっぽけに思えた。
そんなに全部が全部、仕事につなげる必要なんてなかった。
必死で刻んだ点を、無理やりに線でつなぐ必要なんてなかった。
私がスクールで出会った人たちはみな
その地でタイ古式マッサージに出会って、その約2000年という時を刻んできた伝統文化に触れて、学ぶことができているその時間を意味のあるものとして満足し、そのひとときを心から楽しんでいた。
もちろん、出会った人全員が全員の深いところに触れたわけではないので
もしかすると、私が感じた印象はたった一部のものにしか過ぎないのかもしれない。
けれど
そういった人たちの姿に触れて、そういえば、自分自身が、毎日こうやって授業で新しいことを学んで、またさらに学びたいと思えるほどに積極的に、勉強を楽しんでいる自分に気づく。
あぁ、私は学ぶことを今、楽しんでいる。
そして、また、ここに学びにきたいとそう思っている。
そんな自分自身を素直に受け入れることにした。
無事、受講したスクールのコースを卒業して今、日本への帰途についてこの記事を書いているのだけれど、正直、来る前に思っていた、日本に戻ったら、また、どこかのサロンで働こうという気持ちは驚くほどになくなった。
それよりも、このスクールを訪れてまた、施術を学びたいと思っている。
うれしいことに、それを叶えてくれるたくさんのコースがこのスクールにはまだまだある。エルボー、ストレッチ、フットマッサージ、トークセン、、、etc。
無職でお金もないので、すぐすぐには行けないけれど、またお金を貯めてここにこよう。それだけが決まった。むしろそれが決まってよかったと、とても素敵な時間に感謝している。