【連載終了】月1鍼灸マニア〜#13「支援を受けてる人は幸せになっちゃいけないなんて思わないで!」〜
こんにちは。
春野太陽です。
鍼灸の治療が終わるたびに、
記録を記してきていたこの連載ですが、
ひとまず今回で終了とさせていただきます。
なぜかというと、グループホーム移行に伴う引越しで今の治療院に通えなくなるから。
『え?別の治療院に変えてからでも連載はつづけられるじゃん?』
と思ったそこのあなた。
実はこの連載を始めたのも今の先生の
「太陽ちゃんみたいな子の経験や考えを伝えられたらいいのにね」という言葉がきっかけだったことや、
【東洋医学の知識を素人なりにお伝えしたい】を名目に連載をしながらも内容は【たわいない先生との会話がメイン】であったり、
今の先生との出会いと会話があったからこその連載だったのです。
だから、新しい治療院を見つけたところで、
同じように連載をしていこうという
意欲が湧くかわかりません。
だから、一旦これで一区切りはつけます。
さて、連載についての説明はここらへんにしておいて。。。
最後の治療の日、
入室とともに「先生、今日が最後です。。。」
と私から報告。
先生は「そっかぁ。スムーズに手続きが進んだのは喜ぶべきことだけど、こんなに早くこの日が来るとは😭」
と、喜びと寂しさで複雑なようでした。
そして、先生にはお礼の気持ちを込めて
私から、CDとメッセージの手作り冊子を送りました。
この記事の10曲は、実はもともと先生にプレゼントするために考えたリストだったんです。
そして始まるいつもと変わらない治療。
お話しもしてくれました。
平等と公平とバリアフリーの有名な例え話。
野球をフェンス越しに見てる3人の子がいる。
3人の子の身長は大中小。
大きい子はそのままで観れるけど、
中くらいの子は台を1つ使わないと観れない。
1番小さい子は台を2つ重ねないと見れない。
大中小それぞれの子に同じ高さの台を同じ数あげるだけなのが「平等」
中くらいの子には台を一台、1番小さい子には台を2台あげるのが「公平」
そもそもフェンスを取っ払って誰でも見えるようにするのが「バリアフリー」
「日本には公平に行き渡るように仕組みができてるから」
「不便さによって台の必要な数はそれぞれ違うから」
「私は2台も使う人だから迷惑をかけてる…とか思っちゃダメだよ絶対」
「みんなから支援を受けてるから、助けてもらってるから、自分は幸せになるのを我慢しなきゃいけない、とか考える必要ないんだからね」
「バリアフリーになれる社会が1番理想だけど、それはまだなかなか難しいだろうからね」
そんなふうに、治療の間は私をたくさん心配してくれて、
いろんな障害者の話とか男女平等の話とか
経験や考えを「ホントだよね〜」って話しながら過ごしました。
帰り、お会計を済ませて
「頑張ってねなんて言っていいのかわからないけど、とにかく慣れない土地で初めてのグループホームで不安だろうけど、無理しないでね」
との言葉を受け取り
私からも両手を広げて先生の名を呼ぶと
先生も両手を広げて優しくハグしてくださいました。
私「ありがとう、ありがとう、、」
先生「私こそ本当にありがとね、元気でね」
私「母のせいで病気になったのが皮肉だけど、出会えたのも母のおかげだから…」
※鍼灸師さんの母親が、私の母の韓国語講座の生徒さんだった。私の頭痛持ちを知ったその生徒さんが「娘が鍼灸師だ」と紹介し高校生の頃に数回訪れたことがある。(その時は地理感記憶なし)そこから6年越しに絶縁して越した街で治療院を探していたら偶然再会。
先生「そうだね笑たしかに皮肉。でもホント出会えてよかった」
私「もうほんと、ありがとう、大好きー」
先生「私も大好きだよ!こんなふうにお話しできたり関係が築けたお客さんは太陽ちゃんだけだよ」
もうこの時の私は先生の治療服の肩で号泣です。涙で濡らしてごめんな。先生。
最後、
「大丈夫。引っ越してもなんか会える気がする。」
「もしなにか誰にも吐き出せない悩みとか愚痴とかあったらいつでも連絡してきて!」
と嬉しい言葉をもらって
最後にバイバイしました。
この街でのこの先生との治療は、
本当にいい思い出だった。
ありがとう、先生。
2024.05.19(Sun)
春野太陽