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オンラインでのバイオリン、コンクール対策レッスンをして思ったこと
こんにちは、ドイツ在住のハルカです。ドイツで音大生(人生2回目の大学生)と音楽活動をしながらオンラインでバイオリンレッスンをしています。
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バイオリンレッスンお悩み解決ブログ「はるか先生!」
私は幼少期にいいバイオリンの先生に習えず、むしろ、当時の先生に適当にレッスンされたせいで悪い癖がついてしまい、それに気づかず、気づいた時には時すでに“やや”遅し、それでもプロを目指したという、怖いもの知らずの人生を送って来ましたが、縁や運でなんとか軌道修正できた人生だったなと思っています。いずれにせよ、私のような苦しい思いをしながらバイオリンを学ぶ人が一人でも減る世の中にしたいと思ってレッスンしています。
「バイオリニストになるためにバイオリンをしてきたのになんで生活費のためにバイオリンの先生をしなきゃいけないのかわからない」という同業者もいる中で私は演奏と同じくらいレッスンすることが好きです。「バイオリンレッスンを通して過去の自分を救いたい」という自己満足も加味していると思います。バイオリンが好きで弾きたい曲がたくさんある!と目を輝かせて音楽愛を語ってくれる生徒たちの音楽人生に携われることが幸せでたまりません。
そもそも福岡で大学院生だった頃に始めたバイオリン教室、3歳から70代の方までレッスンする機会をいただいて、経験を積ませていただきました。そこからウィーン留学を機にオンラインでもレッスンをすることにしたのちに始まったコロナ禍。ここでオンラインレッスンの需要が高まり、ありがたいことに全国~海外のバイオリンを学ぶ方々からお問い合せをいただき、現在に至るまで幅広い層の方をレッスンする機会に恵まれています。ドイツに戻って音大生になり、海外留学についても発信しています。
そのような状況なのですが、今回はオンラインでバイオリンのコンクール対策レッスンをして思ったことについて書きたいと思います。私のレッスンを受けていた生徒さん数名が全国大会で入賞されたことからコンクール対策レッスンにおいても手応えを感じているところです。
私の教室に在籍している生徒さんたちは、趣味としてのバイオリンという方から、プロを目指す生徒さんまでいらっしゃるのですが、私をサブのバイオリンの先生としてレッスンを受けるシステムの「セカンドオピニオンレッスン」というのもしています。
これは、他に習っている先生がいるけど諸事情で辞められない、今の先生に習い続けていたいけど他の先生のアドヴァイスも欲しい、コンクールを受けるから客観的に見て欲しい、集中的にこの技術を身につけたいからレッスンしてほしい、というかたが問い合わせてくださります。
オンラインでのサブの先生をやろうと思ったきっかけ
3歳から始めたバイオリンですが前述にも述べた通り、いい先生に辿りつくまで難航しました。長崎の田舎で生まれ育ったので都会に出るのも一苦労、今のようにオンラインでレッスンなんて受けられない時代です。そして、対面だと他の先生に習いにいっていることがバレたらややこしい、習いにいった先での生徒さんから他の先生に習いにいっている情報が知られたらややこしい・・・など、バイオリン上達には関係のないところでトラブルに発展してしまうことも面倒です。その点、オンラインレッスンだと生徒さんの自宅で完結するのでそこにメリットがあるでしょう。
中学生時代、レッスン内容は納得できるけど死ぬほど怖い先生に習った経験もあり、弾きたい曲も言えない、将来の相談もできない、先生の許す音楽表現しかしてはいけない、指導への自己主張もしてはいけない、という、美しい音を手に入れることと引き換えに自我を犠牲にしていました。レッスンがあまりにも厳しすぎて(ヒステリーを起こされるという点でw)コンクールのために曲を仕上げることにも一苦労だった時、一つの曲を仕上げることに無駄なくサクッと指導してくださる先生に内緒でレッスンを頼みました。無駄に怯えるストレスもなく、質問したいこともできて、その先生のおかげで基礎的なことから表現について知りたいことを手っ取り早く取り入れることができて、とても感謝した覚えがあります。
いつか、自分もバイオリンを純粋に学びたい人を守れるようになりたい、と思っていたところ、オンラインでのセカンドオピニオンレッスンというところに辿り着きました。もし当時、オンラインでいい先生にレッスンを受けるなら、こういうことを指導してもらいたい、ということを生徒さんにレッスンしています。
足りないものは何かを知る
例えば、「ビブラートができるようになりたいです!」とか、「音程を良くしたいです!」というお問合せをいただくことがありますが、足りないものがわからないと技術は身につきません。
足りないもの?と言われてピンとこないかもしれませんが、まずビブラートをするには指の関節の動かし方やそれ以前に脱力がうまくできているかどうか、音程をよくするにはまず姿勢や楽器の持ち方、肘の位置や指の立て方まで基本を抑えられているかどうか、つまり、求めている技術に対して基礎知識や技術、自覚があるかどうかがまずは大切なのです。
しかし、師事している先生ですらお弟子さんの足りないものに気付けず、そのままレッスンされてるパターンが多く、バイオリンを10年やっているのに指の押さえ方が正しくない、脱力ができていない、など、なんであなたの先生はそれを見過ごして改善しないの?と、適当にレッスンをされて悪い癖がついていた過去の自分と重ねてしまい、憤りすら感じてしまうことがあります。ただ、メインの先生の言われていることを崩すことが私の役割ではないので、まず第一に普段メインの先生が大切にしていることや言わんとしていることをこちらで咀嚼してわかりやすくしてあくまでもメインの先生の指導法に沿ったレッスンを補佐のようにすることが多いです。
基礎って教えるのは教わる方と同じくらいめんどくさいしつまらないものです、でもそこから逃げていたら近い将来バイオリンが本当に弾けなくなってそんな自分に絶望して諦めないといけない時がきます。そんな時、「私には才能がなかった」と言ってバイオリンを辞めないで欲しい、適当にレッスンされて来たる壁を乗り越えられずバイオリンを辞めていった私の周りの友人たちを思い出しながらこの記事を書いています。
コンクールに挑戦する方は1回目を受けて、またさらに高みを目指してコンクールを受け続けるようになります。そしてそのような方に大切なのはやはり「基礎力」です。基礎の上に音楽性や表現力が成り立ちます。
高みを目指す前に一旦立ち止まって基礎がどのくらい身についているかチェックしてもいいかもしれません。
私が自信を持って教えられること
なぜ基礎に特化したレッスンができるのかというと、私自身、師事する先生を替えた13歳と17歳の時に基礎を1からやり直したので、周りが幼少期になんとなく習得した技術を、全て言語化できて生徒さんや、バイオリンが弾けない親御さんにまでどのような原理でそのようになるのか、と説明できることや、悪い癖がついてバイオリンが全然弾けなかった頃からプロを名乗ることができる段階まで自分と向き合って技術を身につけたのでマイナスの地点からプラスの地点へ改善するための近道というものを、人生とんとん拍子に進んできたバイオリンの先生よりは知っていると自負しています。
習慣を作るお手伝い
例えばコンクールのために曲をしっかり仕上げたい!という方には朝時間や夜時間、長期休暇を利用しての集中レッスン。必ず月2回は練習できてなくてもレッスンを受ける!という習慣作りから始めてもいいと思います。一番良くないのは、曲が完成してからレッスン受けよう、という謎の遠慮です。基礎に確信が持てない段階で曲を仕上げてしまうと悪い癖まで染み付いてしまうので、まだ未完成の段階で曲を持ってきても大丈夫です。熱心な方は1週間毎日2時間レッスンを予約してこられ、見事コンクール入賞を果たしました。インプットとアウトプットを効率よく集中的に実施した結果だと思います。
余談ですが、コンクールなんて自分には無縁だ・・・と思っている方にもこの習慣化はとても有効で、そのような方は、独学の期間が長かった、まず譜読みで躓いている、正直楽譜が読めていない、ということに対処する、基礎の基礎を習得するレッスンが人気です。ジュニアオーケストラで譜読みのスピードが遅くてどうしてもうまく弾けない、社会人オーケストラに所属しているが練習不足もあって思うように弾けない、という方はレッスン中にコツを掴めばその苦痛は和らげることが出来るでしょう。
もったいない!と思ってしまうこと
コンクール対策やセカンドオピニオンレッスンを期間限定での利用として一定期間を過ぎたら「ではまた次の機会に!」と満足されて私とのレッスンは円満に一旦終了、となるのですが、メインの先生で基礎を徹底的に見てもらえてない場合、焼き付け刃のようなレッスンになってしまい、一時的な効果しか得られないです・・・。
コンクールシーズンになるとメインの先生から基礎的なレッスンの継続をしてもらえない場合が多いと思いますが、コンクール課題曲への過集中だけだと本番でもかなり危うくなります。コンクール上位者は必ずと言っていいほど基礎の土台がしっかりしています。楽器が抜群に弾ける「選ばれる側」の人たちは緊張しても基礎の技術がブレません。継続して土台の部分をしっかり作り続けることが長くバイオリンを弾き続けられるコツです。
コンクールが関係ない大人の生徒さんにも共通していて、「楽譜がよめない」「弾きたい曲を弾けるようになりたい」という目標を突破したら自分一人でできるような気がしてレッスンに必要性を感じなくなるような方もいらっしゃいました・・・。茨の道は続くので自分一人で壁を乗り越えられないと「もういいやめんどくさい」とバイオリン自体を辞めてしまう方を多く見てきました。これこそが非常に勿体無いことです。積み上げてきたものを0にして欲しくないと思う気持ちで大人の生徒さんと一緒に壁を乗り越えるサポートができるようなレッスンを心がけています。
(あと、30分の体験レッスンでのアドバイスで解決した気になって「よし、自分でできる」と思い込んでしまう方も勿体無いです。それと体験レッスンホッピングをしたい気持ちもわかるのですが一人の先生を信じて習い続けることも大切であることも覚えていてもらいたいです。)
とはいえ、私自身、勧誘や強制をされることが嫌いなので無理にとは言わないですし、セカンドオピニオンレッスンを一旦終了した方について悪い印象は抱いていません!ただ継続するともっと弾けるようになりますよ、ということを言いたかっただけですので悪しからず。
ただ、長い目で見て、基礎に特化したセカンドオピニオンレッスンを続けると可能性が広がりますよ、ということを声を大にして、そして私のこれまでの経験から自信を持って言いたいと思います。
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