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保育の中で「多数決」を使っていますか?

あなたは、保育の中でこどもの意見を聞き、物事を決めるときに多数決を使うことはありますか?
多数決は一見、公平で簡単で簡単な方法に思えますが、僕は違和感を感じています。
何も考えずに多数決を使って物事を決めることが、こどもたちにどんな影響があるか、一度立ち止まって考えてみませんか?


1.多数決の問題点

多数決の問題点は

「全員の合意が得られていない」

ことだと僕は考えています。

とくに少数意見を排除する可能性が高い点に懸念を感じています。

保育の現場でも、「みんな違ってみんないい」という多様性の考え方が広まってきています。
しかし、もし多数決によって少数派の意見が取り入れられない状況が続けば、
こどもたちは」「多数派に合わせることが正しい」と誤って認識してしまうかもしれません。
この点に、大きな違和感を抱いています。

2.こどもの発達から見る多数決

こどもの発達という視点で考えると、多数決を使う際にはより一層の配慮が必要だと感じています。
ChatGPTに聞いてみると、以下のような理由が挙げられました。


### 配慮が必要な理由:
1. **発達段階に応じた感情理解の未熟さ**: この年齢の子どもたちは、自分の意見が尊重されないと強い不満や悲しみを感じやすく、その感情をうまく処理することが難しいです。少数派の意見が排除されると、自己肯定感が低下したり、疎外感を感じたりするリスクが高まります。

2. **協調性の育成段階**: 幼児期は、他者の気持ちを理解し、協調する力が育ち始める時期です。しかし、多数決で物事が決まると、少数派の子どもたちが「負けた」と感じ、協調性が損なわれる可能性があります。これが繰り返されると、クラス全体の一体感や子ども同士の信頼関係にも影響を与えることがあります。

3. **社会的ルールの学び**: この時期の子どもたちは、社会的なルールや公正さについて学び始める段階です。多数決はその一環として使えるものの、すべてを多数決で決めると、子どもたちに「数の力が正しい」という誤ったメッセージを与えてしまう可能性があります。

ChatGPTより

つまり、3〜6歳児は感情の処理の未熟さや協調性の育成段階にあり、社会的ルールの学び始める時期です。
こうした発達段階に配慮しない多数決は、ネガティブな影響をもたらす可能性が大きいと言えるでしょう。


3.多数決以外の決め方

多数決に対する違和感がある僕は、できるだけ多数決という手段を使わずに決めるようにしています。
意見が割れたときに困るじゃんという声が聞こえてきそうですね。
そんなときに僕が使っている方法を紹介しようと思います。

1.話し合い
 少人数のグループで、例えば、「グループ名を決める」と言った場面で使います。
3〜4人のこどもたちに、それぞれの意見を出してもらい、みんなが「いい!」という結論を作り上げていきます。
時間がかかったりすることも多いです。
最終的にジャンケンで決めたりすることもありますが、そのことも合意をとるようにしています。「じゃんけんは嫌だ」という子もいるので、その意見も大切にし、みんなで納得できるように進めます。

2.ローテーション
 「今回はA案にするけど、明日はB案にしよう」といった形で、次回も行うことが確約されているときに使います。
例えば、散歩の行き先を決めたり、どの鬼ごっこをするか選ぶ場面です。
こどもたちに見通しを持たせ、安心感を与えることが大切だと思います。

3.折衷案
 複数の案を組み合わせると方法です。例えばグループ名を色の中から決めるときに「虹」「金」にわかれた場合、「虹色の中に金を入れる」という折衷案を提案しました。最終的に「金の入った虹色グループ」というユニークな名前に全員が納得しました(笑)

とはいえ、これらの方法を使っても解決しないこともあります。

その解決方法にヒントをくれた人がいました。

麹町中学校や横浜創英中学高校の校長をされていた
工藤勇一さん
でした。

彼の考え方は、僕のモヤモヤを解決するてがかりとなりました。

長くなってきたので、この続きは
次回の記事でお話ししたいと思います。


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