パンの試作を好きなだけやって市場調査してよって話になり、盛り上がってるのは俄然、嫁。
「ちょっと社長と面談があるから行ってくる」と言って去っていった旦那。
ん?どんな話?
社長と対面って、怖くない?
2時間後くらいに帰ってきた。何の話だったのか気になっているのを、なんとなくだけど気づかれないように聞く。すると
「あぁ、なんか改善点的な話。もっと自分を出してっていいよ、っていう話だったよ」
さらに掘り下げて聞いてみると、なんでも新しいパンを企画して考案して色々と試してほしい、とのこと。そしてもしもその気なら来年サンフランシスコで修行に行ってもらってもいいよ、ということ。
「え?それって会社的には改善だけど、個人的には願ったり叶ったりじゃない?だってうちら言ってたよね?今、自宅でやってるパンを会社の業務用で焼けないかお願いしない?って」
そう、パンをプロとして焼くにはたくさん必要な条件があるのだけれど、オーブンはそのうちの一つ。自宅のオーブンと業務用オーブン、しかもその細部にこだわることで全く違うパンになってくる。
だから家で試作しているパンをそのまま店で焼けたらいいなと調度話しているところだったのだ。
うん、これはいい流れだぞ、旦那よ。
その波に乗ってあなたの試したいパンをこの街の市場を通して調査すればいい。
旦那以上に闘志がメラメラしている嫁に若干引き気味の彼。
表情がしけっているではないか。
旦那よ、これはいいことなんだぞ!楽しみじゃないか。よしやってみよう。焼こうよ。これまでやってきたあれもこれもそれもやろう。うん。なんだかやる気が増してきてる!!!!!
・・・。
自分にはどうしても一つのことにのめり込みすぎるところがあるので、それが周りにはちょっと重すぎるらしい。
以前、旦那からクレームが来た頃もある。
なので、この日は弾丸に吐き出しそうになった先のセリフを寸止めし
「そうね、まぁボチボチやんなさいよ」
と、言い換えておいた。
その後も嫁の私はあーだこーだを勝手に企画書なるものを頭でバンバンたてて、パンのあれこれを勝手に思案している。
少しずつね。
したためて話さなくては。
風向きが私たちよりになってきた。
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