せとか

強くかわいくかしこく生きる、乙女のポリシー

せとか

強くかわいくかしこく生きる、乙女のポリシー

マガジン

  • 本や音楽などについて

    感想文と見せかけて自分のことを書いてばかりいるマガジン

最近の記事

フォーク酒場がやめられない

友人と四ツ谷駅で待ち合わせる。 2人で待ち合わせをしたのはたぶん、2年とか3年とか、そのくらいぶりだった。 彼はもうすぐ、女の子の父になるらしい。 「フォーク酒場」というジャンルの居酒屋がある。居酒屋といってもライブバーに近い感じで、フォークギターが置いてあり、客が自由に歌い、演奏できる。 演奏されるのは名前のとおり70年代のフォークソングが中心で、客層も60オーバーのおじさまが多い。 今回は初めてのお店、四谷「風街ろまん」(はっぴいえんど!)。 コロナで足が遠のいていた

    • 読書記録「プロジェクト・ヘイル・メアリー(上)(下)/アンディ・ウィアー」

      知人の勧めで読み始めた「プロジェクト・ヘイル・メアリー(上)(下)/アンディ・ウィアー」。 主人公は自分が誰かも分からない、話すこともできない、ここがどこかも分からない状態で目覚める。ここは一体ーーーー? という冒頭から始まるのだが、表紙でお察しいただけるとおり、宇宙が舞台となっているSF小説です。 一ミリもネタバレしたくないので内容は伏せておくが、とても良ーーーーーーとなります。読み終わった瞬間思わず拍手してしまった。 さわやか・冒険SFなので、夏休みの読書にもぴったり

      • 近況報告

        久々にnoteを開きます。こういうとき、心の中では「ノートを開きます」と発音できるから、このサイトはいいなあと思う。 ノートを開くみたいに、なんとなく、でも何か書きたくて。 更新が途絶えていたこの数ヶ月はというと、年末にパニック症状が出たのをきっかけに、電車に乗れなくなって職場まで2時間半自転車で通ったり、飛行機にも新幹線にも乗れなくて、仕事に穴を開けてしまい駅のホームで号泣したり、あとは彼氏と畑を耕したり、その彼氏と結婚が決まったり、本をたくさん読んだりしていました。

        • ぜいたくな悲しみ方

          しまなみ海道のもうひとつの名前は、西瀬戸自動車道っていうらしい。無骨な響きだ。急にインフラ感が出る。 広島県の福山駅から、せとうちバスに乗って1時間半、しまなみ海道を渡って愛媛県の今治をめざす。 平日の夕方の車内は、人がまばらだった。2600円のチケットを買って、いそいそと乗り込む。 福山駅からひとつ目の島、向島までは30分。その後因島、生口島、大三島、伯方島、大島、そして今治と続くが、最初に着く向島以降は、4〜5分に一度停車する。 平日のせいもあって観光客は少ないのか、

        マガジン

        • 本や音楽などについて
          4本

        記事

          結局生身の人間

          1年2ヶ月前までは全くの他人であったわたしと彼だが、一緒に暮らし始めてから、もう2ヶ月になる。波長が合って、趣味も近くて、この人が、わたしの全く知らない場所で人生を送ってきたのが不思議なくらいだ。 マッチングアプリはすげえな。 先日、彼の幼なじみとその奥さんを拙宅にお招きするというイベントがあった。 彼の友人とちゃんとお会いするのは初めてで、少し緊張したが、2人とも、めちゃめちゃいい人だった。とてもお似合いで、これからも2人で手を取り合って幸せに暮らしていってほしいと思った

          結局生身の人間

          11月26日のイチョウと、東京の地名をチラつかせてチャラつきて〜〜という気持ち

          午後休を取って、友達と紅葉お散歩。 まずは外苑のいちょう並木。 お天気に恵まれて良かった。 日がよく当たる方は、ちょっと散りぎみ。 反対側の道の方が、まだ葉が残っていてきれいでした。 青山のカレー屋で昼食を済ませ、代々木公園へ向かう。 久々に表参道を歩く。ショーウインドウが冬支度をしている。このシーズンのホリデーな飾り付け、ときめいちゃうよね。 代々木公園。こっちは落ち葉のじゅうたん。 西日がさしてロマンチック。 原宿のスターバックスでお茶をし、最近の考えごとに

          11月26日のイチョウと、東京の地名をチラつかせてチャラつきて〜〜という気持ち

          わたしたちのすべて(読書録「蜜蜂と遠雷」/恩田陸)

             本当は、ミキちゃんが嫌いだった。  幼稚園に年中から入ってきた、色が白くて、利発そうな顔立ちの女の子。ふわふわの長い髪はいつもお花やリボンのヘアゴムできれいに結ばれていた。  わたしとミキちゃんが同じピアノ教室に通い始めたのは、4歳の時だった。姉が弾いているのを聴いていたのでそれなりに弾けてしまい、やることがなくて外の遊具で遊んでいた(レッスン中なのに)わたしとは対照的に、ミキちゃんはきちんとお母さんの隣に座って、上手に弾いていた。ミキちゃんはピアノだけでなく、絵

          わたしたちのすべて(読書録「蜜蜂と遠雷」/恩田陸)

          「はい、詠んで!『あ』!」っていう無茶ぶりに、少し黙ってから「飴玉の表面積を測るには 子供に舌を借りるのが良い」って返されて、その夜以来わたしはすこし機嫌が悪い

          「はい、詠んで!『あ』!」っていう無茶ぶりに、少し黙ってから「飴玉の表面積を測るには 子供に舌を借りるのが良い」って返されて、その夜以来わたしはすこし機嫌が悪い

          The Songbardsに課金したい

          音楽を好きになる沸点が高いと自覚しているのだが、久々に「これは…!」となったので紹介します。 おすすめしたいのでがんばって言葉にするぞ。 何はともあれいったん聴いてください。 以下、公式HPより。 The Songbards(ソングバーズ) 2017年3月に神戸で結成された4人組ロックバンド。 UKロックに影響を受けたツインギター&ヴォーカルと、息の合ったコーラスワークが特徴。 何気なく聴いて、初めから「あ、これは好きだ」と感じた。どこか馴染みがあったのは、andym

          The Songbardsに課金したい

          東京にも、語るべき思い出ができた

          スカイツリー開業前夜の、あの高揚感を覚えているだろうか。 わたしたちは浅草にいて、三社祭りの見学客及びそれを知らずに集まった観光客でごった返す仲店通りを歩いていた。 5月晴れの空をふと振り返って、同時に「あっ」と声を漏らす。ビルの隙間から聳え立つ銀色の塔。 「スカイツリー!」 当時まだ最新だったスマートフォンを取り出して調べる。 「再来週開業だって」「ほんとに直前だ」 祭りのざわめきのさなか、東京が新しくなってゆくその渦巻きを感じて、わたしたちは目を輝かせた。 最終巻

          東京にも、語るべき思い出ができた

          満たされたことにより発生した満たされなさ

          みたされてしまった、と思う。 しみじみ、穏やかに暮らして、もう何も言いたいことなんてなくなってしまったんじゃないか。 言いたいことは何にもなくなって、これからわたしはずんずんつまらない女になるんじゃないかと怖くなる。 本当は、幸せで、何にも考え付かないことだって大いに良いはずなのに。 最近、文章を書く気が全く起きなかった。 9月末に、恋人と同棲を始めた。都心の部屋を引き払って、新居は、新宿から快速で20分程度、緑の多い住宅街に決めた。 駅から少し歩くと、いかにも落ち着

          満たされたことにより発生した満たされなさ

          n年前に一人暮らしを始めた時に当時の彼氏が組み立ててくれたキッチンラックを処分すべく自分で解体して、わたしにもできるじゃ〜ん!という気持ちがあると同時に、28歳になるとはこういうことなんだなあとしみじみする 28歳になっても誰かにラックを解体してもらえる人のことは知りません。

          n年前に一人暮らしを始めた時に当時の彼氏が組み立ててくれたキッチンラックを処分すべく自分で解体して、わたしにもできるじゃ〜ん!という気持ちがあると同時に、28歳になるとはこういうことなんだなあとしみじみする 28歳になっても誰かにラックを解体してもらえる人のことは知りません。

          過剰装備な不安アンテナ

          ぼーっとしていたら夏が終わった。 言われていることがよく分からない時がある、言葉がうまく出てこない時がある。お気に入りのお箸をなくす。それらのことでいちいち落ち込む。 たくさん休んだけど、結局この夏はぼーっとしたままだった。 最近寝付けない日が多くて、夜になるのが嫌になってきた。 初めてオンラインでカウンセリングを受ける。 とても優しい人だった。うんうんと話を聞いてくれた。 でもやっぱり、解決するのは他でもない自分であるらしかった。 たくさんたくさん泣いて、それでも

          過剰装備な不安アンテナ

          日記のススメ

          賛否はあるが、実家に帰ってきた。帰ってきたことが間違いだったと思わせるように、着陸時の機体はガンガンに揺れた。 つけっぱなしにしたテレビが、帰省した人を中傷するビラの件を何度も報じるから、申し訳ない気持ちになってきて、旧自室に篭り、いらないものを選別している。 サンタクロースからの手紙とか、吹奏楽のコンクールの時の手作りのお守りとか、受験の時に作った世界史のノートとか、懐かしいものがたくさん出てきて、一人で「はあ〜!」とか何とか言いながらやっている。 オリジナルの小説が

          日記のススメ

          何者にもならなくたっていい

          四連休の最後は雨だった、 という出だしの歌を作ろうとして、ギター片手に少しうんうんやったけど、どうしてもいいサビが思いつかなくて投げ出した。 藤原さくらも、Aメロが大好きでAメロばっかり作ってる、いやサビから作れーってね!とラジオでノリツッコミを披露していて、えっ、藤原さくらもそうなの!と、ちょうど先日驚いたところだった。 藤原さくらに共感するなんて、傲慢だな。 四連休の最後は確かに雨だった。今年初めてのゲリラ豪雨に遭遇する。夏はずっと冷たいけれど、伸びた髪に湿気がま

          何者にもならなくたっていい

          勝手に憂えて泣いている

          ①某漁港へ、遠洋マグロ漁船を見にいく  7月某日、水揚げ待ちの遠洋マグロ漁船が停泊しているというので、わたしは同僚と二人、見学にやってきた。水揚げを待つ数日、船主さんがちょうど時間があるので、色々と話を聞かせてくれるとのことだった。一応漁業業界で働いているので、いい機会だと思い、金曜夜、東京発の新幹線に乗り込んだ。  見学させてもらうマグロ漁船は、初航海を終えたばかりの新船だ。初航海を終えたといっても、日本を一度出港すると1年は帰ってこないので、約1年前に竣工したことにな

          勝手に憂えて泣いている