過剰装備な不安アンテナ
ぼーっとしていたら夏が終わった。
言われていることがよく分からない時がある、言葉がうまく出てこない時がある。お気に入りのお箸をなくす。それらのことでいちいち落ち込む。
たくさん休んだけど、結局この夏はぼーっとしたままだった。
最近寝付けない日が多くて、夜になるのが嫌になってきた。
初めてオンラインでカウンセリングを受ける。
とても優しい人だった。うんうんと話を聞いてくれた。
でもやっぱり、解決するのは他でもない自分であるらしかった。
たくさんたくさん泣いて、それでもやっぱり夜は眠れなかった。
感傷に浸るのが好きで、このままずっとぼーっとしていたいのかもしれない。
そんなわけない。
混濁した海から言葉を取り出して、せめて芸術にできたらいいのだけど、納得のいくものを作れるほどの根性がない。だって世の中にはもうBUMP OF CHICKENの音楽があるんだもん。これ以上何が要るとおもう?
思春期なんてとっくに終わったはずなのに、ずっと生きづらい。
恋人との同棲生活を今月末に控えて、不要品を回収してもらう手続きを進めなければならないのだけど、ぜんぜんやる気にならない。
恋人は55型の超デカテレビを持っていて、部屋の配置はまずテレビを中心に決まる。
テレビ中心の生活。
たぶん何かを選んだり決断したりすることが不得意で、自分の意思で新しい生活を初めてしまうことへの漠然とした不安があるんだと思う。
過剰装備な不安アンテナを搭載したこの身体、こうしてまで守り受け継ぎたい遺伝子はなんぼのものなんじゃい。
ネガティブ情報を喋って整理するタイプの人類だから、優しくしてくれそうないろんな人に連絡をする。
こんなに自分とうまくやれないの、久しぶりかもしれない。えーん。
恋人が市民農園を借りて野菜を作ろうね、って言ってくれているのを思い出して、何とか元気をだす。今日はすこし難しい本を読んでえらい。
物知りでえらいと思われたいけど、ずっと自分の仕事にも自信がない。
「わたし入社してこのかたずっと自分の仕事に自信がないんですけど」ってこぼしたら、みんな「そんなことはないよ」って言ってくれるけど、気を遣って言ってくれているとしか思えない。それとも本当にちゃんとやっているのか?
わかんないね。
最後まで読んでくれてありがとう。今回も何か言っているようで何も言っていないよ。
おしまい。