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今週の読書録
こんにちは。
春になって環境の変化を控えている方もいらっしゃるかもしれません。
今回はそんな方におすすめの3冊です。
少女たちの明治維新: ふたつの文化を生きた30年
2024年度に発行される紙幣に新しく使用される人物でもある津田梅子。
先日はドラマのテーマに取り上げられるなど、改めて注目を集めているようです。
『少女たちの明治維新: ふたつの文化を生きた30年』では、山あり谷ありの明治時代の女子留学生たちのお話です。
日本では洋装もまだ珍しかった時代、当然のように辞書も市販されていない。
5人の留学生の中で最年少のウメ、後に鹿鳴館の華と呼ばれる捨松、当時の武家出身女性としては珍しく恋愛結婚をすることになるシゲ。
3名の少女たちがアメリカで成長していく過程や帰国後の様子が描かれています。
あまり知られていないものの捨松の姉の一人はロシアに留学していた。
梅はアメリカのステイ先で溺愛されており、裕福な家庭であったため、宣教師一家の元でつつましく暮らす捨松たちとは異なる経験を積んでいた。
津田梅子が日本に帰国した後に当時としては極めて先進的な女学校を開設するようなパワフルな女性に育ったのは、アメリカでのステイ先の影響もあるのかもしれません。
環境の変化に戸惑いつつもしなやかに生きていく明治の女性の姿に励まされる一冊です。
向日葵のある台所
血のつながりがあるからこそ厄介な関係。
秋川滝美さんの『向日葵のある台所』は、そんな親子関係にまつわるお話です。
秋川さんの作品は一見周囲と円滑な関係が構築できているように見える主人公が親子関係では多少なりともトラブルを抱えているケースが多い。
今回は主人公と母親・姉との間にストレスになりそうな問題があります。
一方で娘との関係は驚くほど良好。
最後までどんでん返しもないまま、素直で良い子。
この娘の対応が長年わだかまりのあった親子関係をゆるりとほぐしていきます。
最後はわかりやすいハッピーエンドではないものの、現実的な終わり方なので個人的には好き。
秋川作品特有の美味しい表現が今作でも随所に登場します。
主人公が上司から提示された発想の転換は現実でも使えるような気がします。
反応したら負け
反応したら負け?
リモートワークが年単位になり、対面時とはまた異なるストレスを抱えつつある今日。
知人からすすめられた一冊が『反応したら負け』です。
漫画家/コラムニストのカレー沢薫さん初のお仕事エッセイであるこちら。
ムダな会議、エクセルデータ破壊おじさん。
日常でもありがちなストレス源と向き合うことなくカレーにスルーする姿勢に脱帽しました。
ところどころスラングも多いので、Google検索が必要なこともありますが、「そういう考え方もあるんだ…」と思うと少し気が楽になるかもしれません。
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