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2021年本屋大賞

こんばんは。

本日は本屋大賞の発表日。
「売り場からベストセラーをつくる!」というコンセプトの元はじまった「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 本屋大賞」。
今や芥川賞や直木賞と並んで注目されるほど受賞作品は露出が増えます。

今年の大賞は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』です。

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。


ご自身も本に救われ、憧れの著者と会うために作家を目指したという町田さん。
残念ながら憧れの作家である氷室冴子さんとはお目にかかることは叶わなかったようですが、あるインタビュー記事の中でこのように語っていらっしゃいました。

与えてもらうだけでは、人は幸せになれないんです。たくさんもらったら、今度は誰かに与える側にならないと。私は、氷室さんの本に生きる力をもらいました。だから、私も人を支えられるような小説を目指しています。読んだ後に「よかった。あしたも頑張ろう」と思える作品を、ずっと書き続けていこうと思っています。

与えてもらったことを次は自分が与える。
本を支えにして苦難の日々を乗り切った町田さんが本作で描くのは、九州の海辺の町へ引っ越した主人公。
最初の強烈な一文から始まる、天気の匂いが伝わってくるような文章です。

本屋大賞といえば各書店で展開されるユニークなPOPも特徴です。
出版社で作成したPOP以外にも、書店ごとに様々な手作りのPOPが売り場を彩ります。
普段のWebでの本探しとはまた違った感覚になれるので、この時期の書店巡りは楽しみの一つです。

本屋大賞受賞後には、著者のデビュー作も改めて読んでみたくなります。
今週の移動おともや週末のリラックスタイムにいかがでしょうか。


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春賀
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