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今週の読書録(2024.9.7)
鹿鳴館の花は散らず
植松三十里さんの『鹿鳴館の華は散らず』は明治時代の貴族女性が主人公のお話。
坂の上の雲や朝ドラがお好きな方にもよいかもしれません。
明治時代、開国後の近代化や世界的な地位向上の陰には貴族女性たちの活躍が?!
敬宮様がお勤めの日本赤十字の成立も描かれた本作は、歴史小説やシスターフッド関連と似たような流れ。
noblesse oblige (ノブレス・オブリージュ)を体現する主人公の生きざまと戦いの生涯は、読み応え十分です。
ぎょらん
町田そのこさんの『ぎょらん』は以前から気になっていた作品。
人が死の瞬間強く願った感情が宿るという「ぎょらん」。
いくらに似た見た目のそれの正体は…
「ぎょらん」で人生が左右された人々。
死者の思いを探る人。
この本はファンタジーかホラーか?
フィクションと知りつつ「ぎょらん」を探したくなります。
あいにくあんたのためじゃない
柚木麻子さんの『あいにくあんたのためじゃない』は、先に漫画版を読んでから小説を手に取りました。
「パティオ8」は別の短編集で読了済みですが、現代で起こりうるような架空のストーリーが詰まった短編集。
デストピア小説とも言えるような作品もありますが、読了感は悪くない。
菜の花食堂のささやかな事件簿 人参は微笑む
碧野圭さんの美味しいミステリー「菜の花食堂シリーズ」も気づけば6冊目。
今や累計12万部となったシリーズ最新作では、常連の登場人物に加えて次回作で活躍しそうな新キャラクターも登場。
続巻が今から楽しみなシリーズの一つです。
50歳からの心の整理旅
『50歳からの心の整理旅 タイ料理ひとり研修で見つけたこと』。
タイトルにひかれて手に取った本作、体力や気力が徐々に衰える中で海外一人旅の行先はタイ。
食にひかれて旅立った先では、ハプニングに見舞われながらも食べ続けます。
日本でも知名度の高い料理からあまり知られていない食材まで、ソムタム用の調理器具を購入して帰宅した作者が出会った料理や人々が描かれたエッセイです。
写真も豊富で読むとエスニック料理が食べたくなる一冊。
我慢しきれずデリバリーでタイ料理をオーダーしました。
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