テレビドラマ感想文「鎌倉殿の13人」一気見するには3日かかる
ヒマに任せて、録画を48話一気見した。
一言でいうと長い!
大河ドラマを一気見するなんて人生初だ
放送時もおもしろくはあったが、
結構いい加減に見ており、シナリオやら演出の深さは続けて見ないとわからんな と取っておいた
◯現在と繋がる時代背景
本質的には出来の良いホームドラマだ
偶然頼朝が近くにいてしまったために、
歴史の大転換点に立ち会った家族の物語
(キャスティングから推測して「俺の話は長い」に影響受けてる?)
特に、平安後期から鎌倉期は、
日本の2度目の人口減の時代だそうだ
(現在は4度目らしい)
旱魃などで、生産量が著しく落ちたからと推測されている。
一方、平家の対外貿易によって持ち込まれた(宋銭を輸入し流通させた)
価値が定かでない銭バブルが急激なインフレを引き起こしていたようだ。
現在に似た、不安で暗い時代背景だ。
さらに現在も受け継がれているであろう江戸体制の官僚システムの基礎となる、坂東武者のメンタリティが文書として残される。
特に、手の入っていない司法は、
泰時が書いていた御成敗式目が、
「時効」の概念などに色濃く受け継がれているそうだ。
最終回の吾妻鏡を読む家康は、あながちサービスではなく、頼朝を尊敬していたとも伝えられているし、
貿易重視の平家を倒した鎌倉政権の研究は、
平家に似たような織豊政権から政権を簒奪した家康にとって、参考になっただろう
◯どこからでも見続けられる脚本
登場人物が多い群像劇だが、三谷脚本らしく、主要キャラクターはわかりやすくしてある。
だが、後半から出てくる人は殺す事が忙しかったようで、あまり描写しない
(富野ガンダムには劣る)
さらに、かなり一話毎でも成立するドラマ仕立てなので、どこからでも見始められる構成だ。
◯衣装から見る家族の系譜
一気見して最も気になったのは衣装の変化
尼になる政子はさておき、義時、泰時親子は、成長や役回りにともなって、衣装を変えていく。
義時は薄黄緑>緑>深緑>黒
(この緑も何か意味が込められていそうで、「草燃える」のオマージュなのかもしれない)
亀の前事件でよかれと思った一言で家が焼け落ち、似たような一言で罠にかける側にまわった上総介誅殺に至る。
リフレインのように繰り返す義時の若い一言による自身への罪と罰のように、重い回の翌週から衣装が緑に変わる。
その後の衣装替えは、景時討伐で深緑、父時政追放で黒になる。
泰時は父を追うように、青緑>薄黄緑と変わる。
若い一言で右往左往していた真面目なだけの薄黄緑の父義時と比べると、泰時は相当に思慮深く、かしこく描かれている。
長いドラマの結末に、政子が「かしこい八重さんの子」と言い、義時に薬を飲ませなかった理由は、
時代情勢が変わり、義時・政子から泰時へ担い手を移すということだったのかもしれない。
また、再来年ぐらい、忘れた頃に一気見してみたい。
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