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なぜ農家は顔写真を売り場に貼るのだろうか?ズレっズレの販売戦略
スーパーの地場産コーナーや産直市場、道の駅などで「私が作りました」や「〇〇さん家のトマト🍅」などと表記し、自分自身の顔写真をあしらったシールやPOPをよく見かけますが
「なんのために顔を出すの?」
と、あなたは、疑問に思いませんか?僕は毎回見かけるたびに心のなかで「誰やねん!どこのおっちゃんやねん!」とツッコミを入れています。
例えばトマト🍅の袋にそのような顔写真入のシールが貼っていたとします。そして更にPOPも設置している。しかし消費者からすると【知らない人の顔を見てもそのトマト🍅欲しくなりません!】なのです。シールとPOPの組み合わせ自体はとても良い施策なのにもったいない!
そもそもなぜ顔写真を使用するの?と、なぜ疑問に思わないのでしょうか。使用している農家だけではなく、お店や指導している売り場担当者、JAや県などの指導員の皆さまもそうですが、誰か疑問に思ったことがありますか?
【顔を見せる】と【ただ顔写真を使う】とは全く違うものです!この勘違いをしていることが本当に多いです。とりあえず顔写真を使えば良い結果が出そう、と単純に考えているのではないでしょうか。
農家の皆さまや売り場担当者が顔写真を使用している理由として、3つあると僕は考えています。
1つ目は「安心安全」を訴えたい、です。 「顔を出しているので変なものは売らないだろう」と消費者に思わせるためです。この「思わせる」というのが曲者です。基本的には農家の皆さんは本当にしっかりと品質管理されています。栽培方法や環境への配慮もとても真摯にされており、消費者目線でも「美味しくて安心安全」が感じられます。しかしその反面、きちんと出来ていない人がいるのも事実です。「品質管理」と一言で言っても農家個人個人の基準が違っておりリテラシーにかなり差があります。ですので多くの売り場ではきちんと基準を設けています。しかし、すべてを管理するのはやはり難しく、ある程度は農家個人個人を信じるしかありません。そこで「安心ですよ!安全ですよ!」と消費者に伝えるとともに、農家の皆さんには「ちゃんとやってね。顔、出てるで」という脅し(というと言い方がキツイですが)に使うという狙いです。
でもよく考えてみてください。あなたが消費者なら売り場で「これは安心か?これは安全か?」と一つひとつ疑いながら毎日買い物をしますか?僕はしません。平和な日本では特に疑いながら買い物をすることなどありません。つまり消費者は顔写真を見たからといってそれほど「安心安全」とは感じてはいないのです。安心安全を伝えたいのであればもっと違う方法を考えたほうが良いでしょう。
2つ目は「ファンになってもらおう!」です。顔を出すことで消費者に農家の皆さんを身近に感じてもらい、リピートにつなげたいという狙いです。これも狙い自体はとても良いです。しかしやり方が間違っています。あたなは知らない人の顔を見てファンになりますか?「いや、顔だけじゃなく名前も書いているぞ!」と反論があるかもしれませんが、では知らない人の顔写真と、知らない人の名前をみてファンになりますか?試しにいつも行っている地場産コーナーや産直市場の農家さんのことを思い出してみてください。どうですか?思い出せましたか?顔も名前も思い出せないと思います。ですのでファンになってもらうにはきちんとブランディング※が必要です。顔を出すだけでファンになってもらえるのであれば、世の中にある全企業の社長が顔を出すでしょうね。。。
※ブランディングについてはまた詳しく発表します。
3つ目は産地直送感を出すため、です。「地元の農家さんが作ったんですよ!とれたて新鮮ですよ!」と訴えたいという理由です。これもそもそもなのですが、スーパーの地場産コーナーや産直市場、道の駅などは「地元の農家が自分で作ったものを自分で並べる」「市場を通さずとれたてで新鮮」(JA運営の産直市場ではそうでない店もある)がルールのはずです。このルールは消費者もわかっています。わかっているからこそ新鮮で美味しいものを買いに行くのです。消費者からすれば「え?地元産?新鮮?わかっていますけど」という感じです。
以上3つの理由で顔写真を使用している売り場が多いのです。これでは消費者が本当に知りたい情報になっておらず、効果がいまいち出ないのです。
消費者が知りたいのは
「〇〇さんが、どんな思いや作り方で作ったのか?」や
「その〇〇さんが作ったトマト🍅にはどんな特徴があるのか?」です。
とくに大事なのは後者の方です。前者も大事ですがそれだけでは売れません。「大切に育てました!苦労しました!」と言われても「あ、そう。。。」となりますよね。消費者が知りたいのは「トマト好きの方のために(誰に)この濃い味(特徴)を出すためにこういった作り方で(どのように)作ったトマト🍅です!」という情報なのです。それがネーミング、ロゴ、パッケージ、キャチコピー、説明文、POPなどに反映されて初めて「顔を見せる」になるのです。
まとめると
「顔を見せる」というのは本当にあなたの顔を見せるのではなく、あなたが誰のためにどのようなものをどうやって作ったのか、を伝えましょう!という意味なのです。
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