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言の葉の詩集🌿
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#現実

夏の夢

夏の夢

長かった夏の休暇が終わり
ほっとしている
日常が戻ってきた

夏は囁いた
「現実は夢だよ」

だから間違いなく
ほっとしている

ほんとうの孤独のはじまり
寂しくはない
だってこの世には
私しかいないのだ

ひりひりした光も
幻だったというわけだ

誰に気兼ねなく
私は私をみつめる 

夢は夢
現実も夢

朝

まだ何ものをにも
汚されていない気は
無言の前奏曲を奏で

ツンと冷たいオレンジの色
山の上を染めていく

車を右車線に停め
見つめる朝焼け

さて、と現実と対峙し
白い月の下を走りだす

白んだ空には鳥が五羽連連なり
既に遠く飛行機も飛んでいる

白い月は透明な背骨を内在していた
息を止めて描かれた無数の枝の隙間に
北欧のそれのように
水墨画のそれのように
浮いていた

道ゆかば
またも白い月

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湯気

湯気

陶器のカップを
両の掌で静かに包む
温かい

立ちのぼる湯気
遠くには灰色の雪雲

柔らかな湯気は
今をケムに巻き
とどまらず

妖艶な現実
温度の幻影

やがて湯気は
窓を白く曇らせる

水滴となり
空を写す
今の実体

掌が
徐々に冷えていく
魂の抜けがらのよう

鼻腔に残る珈琲香は
飽くなき性をさがし
冷たいガラス窓を超え
世界を埋めようとするが

降り始めた雪は
窓にあたっては溶け
あたっ

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