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ベートーヴェンを毎日聴く77(2020年3月17日)
『ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 op.53 「ワルトシュタイン」 』を聴いた。
ベートーヴェンを毎日聴く76
— Harayan (Herbert von) (@HarayanV) March 17, 2020
op.53 ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」。1803〜04年
出だしの連打。一体何が近づいてくるのか?とグッと惹きつけられる。新しいエラールピアノが来て子供のように打鍵する作曲者の姿も目に浮かぶよう。短い中間楽章もミステリアス。
演奏:ポリーニ。1988年 pic.twitter.com/cd6tn86ArW
付けられたタイトルからもわかる通り
(但し、ベートーヴェンが付けたのではないが)
ワルトシュタイン伯爵に献呈された作品。
ボンにいたワルトシュタイン伯爵はベートーヴェンの才能を見込んで、ウィーンでハイドンの下で勉強するように勧めた人物。
つまり、ワルトシュタイン伯爵に出会わなければ、ベートーヴェンは今日まで名が轟くような有名作曲家になっていたかどうかはわからない。
ベートーヴェンという素晴らしい作曲家が世に現れ、今その音楽を聴くことができる我々も、ワルトシュタイン伯爵に感謝しなければならない。
ウィーンで革新的な作品を世に送り出し始めていたベートーヴェンは、ワルトシュタインに献呈するこの作品を作った。
それは最新のピアノを伯爵から贈られたこともあるが、当時の先端を行く大きな作品であり、恩人とも言えるワルトシュタイン伯爵に自らの存在を示すような大きな作品であった。
きっとワルトシュタイン伯爵は大喜びしたに違いない。
第1楽章の出だしから革新的な表現である。静かで小刻みな連打。それが大きくなり煌めくように上下する。ここだけで作品の虜になるようだ。
ミステリアスな第2楽章は、なかなか表現が難しい部分だが、じっくり聴くと美しい部分が垣間見れるし、アタッカで入る第3楽章のコントラストとして実に効果的に思う。
技巧的にもおそらく当時の先端を行っていて、聴きごたえが充分にある作品である。
Michał JałochowskiによるPixabayからの画像
(記:2020年11月12日)