ベートーヴェンを毎日聴く58(2020年2月27日)
『ベートーヴェン/交響曲第2番 ニ長調 op.36』を聴いた。
決然とした冒頭の和音で始まるのが、交響曲第1番の出だしとは全く異なる手法。
「あ~~れ?」「そ~~れ?」
と「何か理想を探っているような・・」
と、第1番のところでは書いたが、まったく正反対である。
決然たる自信を持って世に出した交響曲、というような印象。わずか1年程度の差ではあるが、それだけ充実した作曲家生活をして生み出す作品のレベルも上がったと言える。
が、どうしても切り離せない運命の「難聴」が進み始めていた頃の作品でもあり、決してベートーヴェンは追い風ばかり吹いていたわけではないではない。
「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた直後、この作品を作ったと考えられている。「ハイリゲンシュタットの遺書」は、遺書であっても、その内容を読めば、どんなに困難が自分の身に降りかかっても、芸術を生み出し続けようとう決意表明である。
暗く沈んでいてもどうにもならない。という気持ちがこの冒頭の決意の和音であり、全体が畳みかけるように明るい作風になったと考えられている。
でも、実は「ハイリゲンシュタットの遺書」を書く前にすでに作品ができていた、という説もあるようだ。
わたし自身も嫌なことがあった時、これを聴くと、事実とても気分が良くなるのである。できれば、最近主流になっている当時の演奏を再現する古楽系の演奏が、テンポも早く、強弱も激しく、スカッとするほど楽しい。
今回聴いたガーディナー指揮は愛聴盤である。
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